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令和6年度 KDB Expander説明会

 本会では5月28日から31日、6月4日から7日、6月11日にKDB Expander説明会が会場とオンラインで開催され、総計で278名が参加しました。
 本記事は、市町村の保健事業に活用していただくため、説明会で本会の担当者が講義した内容を再編集して掲載します。

北海道における予防・健康づくり推進に向けた取組

 北海道の「全世代型予防・健康づくり推進事業」では、全市町村で「道民が健康に豊かに過ごすことができる社会の実現」を目標に、生涯を通じた健康づくりを進め、健康寿命の延伸を実現すると共に、保険料の負担軽減、医療費の適正化を目指しています。

 保健事業に取り組む市町村では、マンパワー不足などが課題になっています。そこで本会が、北海道、北海道後期高齢者医療広域連合、全国健康保険協会北海道支部と連携し、KDB Expanderを通じて、各市町村に寄り添った伴走支援を行っています。

 国保の財政運営は、全道の医療費を賄うため北海道が179市町村に対し納付金を求め、市町村は住民に保険料(税)を求める仕組みです。各市町村が、保険者努力支援交付金などを活用しながら重症化予防事業などの取組を継続することにより、健康寿命が延伸され、医療・介護費の適正化につながれば、全道の医療費が下がります。医療費が下がれば北海道が各市町村に求める納付金が少なくなり、住民の保険料(税)も下がるという好循環が生まれます。

 しかし、高齢化により医療費や介護給付費の抑制は難しくなっています。効果的・効率的な保健事業を通じて目指すべきことは、治療が必要な方を早期に外来医療につなげ、重症化してからの入院や介護に至らないようにすることです。つまり、外来の医療費が上がっても、入院医療費や介護給付費を下げられる構造変化が目指す姿です。

 北海道の医療費の全国順位を比較すると、国保医療費が全国18位である一方、後期医療費は全国7位と国保より高い順位となっています。さらに、協会けんぽ医療費は全国3位と高い状況にあることから、国保や後期に加入する前の段階である、被用者保険時代の健康づくりが重要です。

KDB及びKDB Expanderの概要と活用

 KDB Expanderとは、KDBシステムで管理してきた国保・後期・介護データに加え、協会けんぽのデータを加えた健康・医療情報データベースと、分析システム及び統計システムを連結させたものです。全道の人口の約7割(医療費にすると約8割)に当たる約370万人のデータをカバーしており、最終的には10年分のデータを保有します。協会けんぽのデータが加わることで、地域・職域連携に向けた取組や、まち全体の健康課題を踏まえた高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施にも活用できます。KDB Expanderは、分析データや統計情報などを自動作成し、完成品を市町村ポータルというポータルサイトで提供します。市町村の皆さんは、市町村ポータルにアクセスしていただき、必要な帳票をダウンロードしてすぐに使えるという運用です。これにより、データ分析や保健事業に係る対象者一覧の作成に係る市町村事務の負担が軽減されます。

 KDB Expanderの生活習慣病の定義は、KDBシステムの13疾病分類に加え、重症疾患の一つである腎疾患、フレイル系の視覚障害や関節疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患、介護の要因になり得る認知症やうつを加えた18疾病分類です。(図1)令和6年度提供分からは、これに心不全を追加した19疾病類での帳票を提供予定です。


図1 KDB Expanderにおける生活習慣病の定義 

KDB Expander ポータル帳票説明

 「地域・職域制度差分析」は、協会けんぽと国保の数値を並べて見ることができるKDB Expanderの代表的な帳票です。生活習慣病の疾病ごとの一人当たりの医療費・有病率、健診結果の数値などを性・年齢階層別に細かく分析することができます。北海道と比較することで、自市町村の健康課題について制度横断的に把握できるため、住民を対象とした保健事業の企画・立案に役立てることができます。令和6年度提供分からは、健診における質問票の回答が追加されます。(図2)

 

図2 「地域・職域制度差分析」帳票

各種統計情報及び新規リリース情報

 令和6年度の新規リリース帳票として、保険者努力支援制度の取組評価分に活用可能な「重複服薬・多剤投与対象者一覧」があります。重複・多剤投与の対象者を毎月抽出し、リスト化して提供します。(図3)対象者の直近の外来医療費や傷病名を確認することや、医薬品一覧のシート(図4)へ遷移することもできるため、介入対象者の絞り込みが容易になります。
 「特定健診受診勧奨分析」も新規リリース帳票の一つで、過去の特定健診受診履歴から、受診率の統計や、受診履歴で対象者を分類したリストを提供します。(図5)月別の健診受診者数及び受診率や、過去5年間の経年で健診受診履歴別に健診受診率の推移などを見ることで、事業の効果に関する分析を行い、今後の事業展開の検討などに活用できる帳票です。


図3 新規リリース帳票「重複服薬・多剤投与対象者一覧」

図4 新規リリース帳票「重複服薬・多剤投与対象者一覧」

図5 新規リリース帳票「特定健診受診勧奨分析」

重症化予防対象者一覧の活用

 「重症化予防対象者一覧」では、各市町村で設定した抽出条件に応じて、生活習慣病の重症化予防事業の対象者を自動で抽出・リスト化しています。管理ツールの使用により、対象疾患に対する医療機関への受診状況や直近3か月の投薬情報なども、リスト上で把握できるため、レセプトまで確認する作業が省力化され、効率的に介入対象者を抽出することができます。(図6)

図6 重症化予防対象者一覧

健康レポートの活用

 「健康レポート」は、健診受診者個人へ向けた情報提供として、保健指導や結果説明会などで介入資材としての使用を想定しています。過去5年間の健診結果や質問票回答を経年で確認できるのはもちろん、KDB Expanderが保有する全道7年間分の健診・医療データを活用し、AIが健診受診者ごとに発症しやすい生活習慣病を分析し、受診者の健診結果に合わせた内容を自動で作成しています。(図7)


図7 健康レポート

今後に向けて

 KDB Expanderの本格稼働は令和5年度ですが、現時点で完成しているというものではなく、これからも市町村のニーズに沿って機能改善・強化を継続し、北海道の健康づくりに資する健康・医療情報プラットフォームを目指して取組を進めていきます。

お問い合わせ

総務部事業振興課

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