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北海道の国保 令和6年(2024年)10月号

ー 時流 ー

いじめが起きない社会をめざして

   北海道大学名誉教授 前沢政次 

 いじめの認知件数が増加し続けており、また重大事態発生件数も増加している。

 文部科学省「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等と生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、いじめの認知件数は平成24年から増え始め令和2年度やや減少したものの、その後はまた増加している。

 旭川いじめ再調査報告書がまとめられ、北海道新聞令和6年9月14日朝刊によると、この再調査委員会はSNSで発せられた被害者の言葉を、テキストマイニングと呼ばれる手法で分析を行った。注目されたのは「怖」「悪」などの言葉が頻回にあること。また、いじめの影響は一時的なものではなく、心的外傷後ストレス症候群として、その後の被害者の人生に深い傷を残してしまうことを指摘している。

 日本のいじめの特徴は「教室の中にいじめの加害者と被害者が同居していることにある」とされてきた。(森田洋司総監修『世界のいじめー各国の現状と取り組み』金子書房 1998)①教室で休み時間に発生することが多い。②いじめの加害者と被害者が同じクラスの同級生が70%から80%である。③心理的ないじめが多い(暴力系のいじめよりもコミュニケーション系のいじめが多い)。
 しかし、学校外のいじめの深刻化も問題視されている。

 そのため『生徒指導提要(改訂版)』2022年では「安全で安心な学校づくり・学級づくり」が提案されている。その内容は次の4点である。
 
① 多様性に配慮し、均質化のみに走らない学校づくり
② 児童生徒間で人間関係が固定されることなく、対等で自由な人間関係が築かれるようにする
③ 「どうせ自分なんて」と思わない自己信頼感を育む
④ 「困った、助けて」と言えるように適切な援助希求を促す

 2013年文部科学大臣決定、最終改訂2017年の『いじめ防止等のための基本的な方針』には次の言葉が述べられている。「他人の弱みを笑いものにしたり、暴力を肯定していると受け取られるような行為を許容したり、異質な他者を差別したりといった大人の振る舞いが子供に影響を与える」また「いじめからひとりでも多くの子供を救うためには、子供を取り囲む大人ひとりひとりが、いじめは絶対に許されない、いじめは卑怯な行為である、いじめはどの子供にもどの学校にも起こりうるとの意識を持ち、それぞれの役割と責任を自覚しなければならず、いじめの問題は心豊かで安全安心な社会をいかにして作るかという学校を含めた社会全体に関する国民的な課題である」

 子どもたちは大人の鏡であると聞く。学校は社会の鏡であると私は考える。しかし、学校を変えればいじめは防止できるのか。
 どの職場、いずれの家庭においても、人権の擁護、ひとりひとりの生きる勇気を尊重することが、今強く求められている。


ー 特集 下川町 ー
 北海道の多くの自治体において、医療や介護の体制を持続化していくことが課題となっている。一方、「消滅可能性自治体」という言葉が出ているように、自治体そのものが持続可能であるかどうかも問われている。
 持続可能な地域づくりの観点から、SDGs(持続可能な開発目標)に沿った事業を展開する自治体も全国的に増えてきた。その中でも、SDGsの概念が生まれる前から持続可能な地域づくりを合言葉にまちづくりを進めている下川町は、2017年12月に第1回ジャパンSDGsアワードで内閣総理大臣賞を受賞、2018年6月にはSDGs未来都市および全国で先進的な10事業が選ばれた「自治体SDGsモデル事業」に選定され、注目を集めている。
 今回の特集では、前半は下川町のSDGsを中心とした行政の歩みと具体的な取り組み、後半は医療・介護の分野を持続化させるための取り組みを紹介する。

産業衰退と人口減少による強い危機感

 下川町のSDGsにつながるまちづくりへの取り組みの始まりは、1980年代に遡る。基幹産業が農業、林業、そして金や銅を採掘する鉱業だった下川町。人口のピークは60年代で1万5,000人以上にもなった。その後、木材の輸入自由化、鉱業の衰退により、70年代から人口が急激に減少して80年代には5,000人台に。そこで地域活性化のため、住民グループ「コロンブスの卵」が立ち上がり、現在は全道的に広まったアイスキャンドルを日本で初めて北欧から導入するなど活動していた。
 さらに人口が4,000人台にまで減少した1998年に、「下川産業クラスター研究会」が発足。役場職員、森林組合職員、地元の事業者、住民の有志が集まり、地域資源の森林を最大限生かすことなどを柱とした「経済・社会・環境の調和による持続可能な地域づくり」を掲げた活動を開始した。現在のSDGsのテーマを、90年代から提唱していたことになる。詳細は後述するが、森林資源に付加価値を与える木質バイオマスエネルギーを中心とした活動により、現在まで続く取り組みの基礎を築いた。2007年に制定した町の自治基本条例には、「持続可能な地域社会の実現を目指す」と明記。上記の取り組みにより、2008年には政府から「環境モデル都市」、2011年には全国11市町村の一つとして「環境未来都市」に選定された。

SDGs未来都市としての歩み

 2015年に国連でSDGsが採択されると、もともと共通する価値観を持っていた下川町では、早くからSDGsを取り入れた地域づくりが始められた。2019年から2030年の第6期下川町総合計画を策定するに当たり、2017年9月から総合計画審議会に「SDGs未来都市部会」を新設。民間委員10人(企業経営者、NPO法人代表者、農業者、商工会青年部長、主婦、教員など)と、町職員から30歳代の若手10人により会議を構成。約半年間で計13回にわたり議論し、下川町の将来ビジョンである「2030年における下川町のありたい姿(下川町版SDGs)」が策定された。(詳細はhttps://www.town.shimokawa.hokkaido.jp/section/kankyoumirai/sdgs/
 これが町の総合計画の将来像として位置付けられたため、行政の全ての分野(福祉・教育・生活環境・産業分野など)はこの将来像を目指す形となっている。「みんなで挑戦しつづけるまち」「誰ひとり取り残されないまち」など7つのゴールを柱に、経済、社会、環境の具体的な取り組みに落とし込まれた。また、これらのビジョンを町内外に発信することでブランド力の向上を図り、SDGsを共通言語として町内外のさまざまな人、企業、都市とのつながりを作っている。

森林による産業構築、再生エネルギー

 最も特徴的な「環境」の取り組みは、木質バイオマスエネルギーの活用である。下川町産業クラスター研究会の発足を契機に森林資源の新たな価値創造として取り組まれ、2001年から2003年に町が地域新エネルギービジョンを策定。それに基づき、2004年に町内の五味温泉に北海道で初めてバイオマスボイラーを導入。切り株や端材といった林地残材などを熱エネルギーに活用する地域熱エネルギー自給の仕組みを作った。
 2009年には木質バイオマス原料製造施設と役場周辺地域熱供給施設を建設し、原料供給体制の構築とバイオマス熱供給を拡大。以後、さらに熱供給施設を増やし、現在は10カ所の熱供給施設から30カ所の施設へ供給している。この取り組みにより、町の熱エネルギー自給率は約50%、公共施設では約70%にもなった(日本全体では2021年で13.3%:環境省発表)。また、エネルギー転換による経費削減効果は年間約3,800万円に上り、削減額はボイラー等の更新費用と子育て支援の費用に充てられている。CO2排出量は2013年比で20%削減を実現。2022年には「ゼロカーボンシティしもかわ」を宣言し、2050年までに二酸化炭素排出量が実質マイナスとなる「カーボンネガティブ」の実現を目指している。
 また、「経済」の側面としては、森林を核とした森林総合産業の構築に取り組み、就労・雇用の確保、地元製材業者への木材安定供給を目的として、毎年50haの植林を行い60年周期で育成し伐採する循環型森林経営システムを構築した。2003年には環境保護の観点で管理された森林を認証するFSC認証を取得し、森林に付加価値を付与。さらに木材利用では、地域材を活用した住宅の建設、トドマツ精油等の製品の開発・販売によって木材を余すところなく使い、経済を循環させる取り組みも進められている。その他にも、森林を活用した活動で地域活性化を図る町内のNPO法人・森の生活と連携し、認定こども園から高校まで子どもの成長に合わせて15年間一貫の森林環境教育に取り組み、幼少期から森林と郷土の産業を学ぶ教育環境を作っている。 

超高齢化社会に対抗する一の橋バイオビレッジ構想

 「社会」の取り組みでは、最も大きな課題である超高齢化社会に対応するモデル事業として、「一の橋バイオビレッジ」構想を進めている。下川町の高齢化率約40%に対して、一の橋集落は51.6%(2009年現在)と特に高齢化率が高く、人口も最盛期の約2,000人(1960年代)から90人(2009年現在)まで減少し、集落の維持が危ぶまれていた。
 そこで、2012年から超高齢化問題(社会)・低炭素化(環境)・新産業創造(経済)の同時解決をコンセプトに一の橋集落の再生に着手。再エネ熱自給を核として、集住住宅や地域食堂、住民センターなどを集中させ、徒歩圏内で生活機能が賄え、個人による除雪が不要な仕組みを構築した。新産業創造では、特用林産物栽培研究所を設置し菌床椎茸の生産・販売を開始。さらには誘致企業による試験研究施設も設置され雇用が創出されている。また、地域おこし協力隊が任期後に定着して起業。オーガニック化粧品の製造、販売が行われているほか、木工作家が移住し創作活動が行われている。
 こうした取り組みを進める中で、集落人口は高齢者の減少などにより減少傾向にはあるものの、若者の移住などにより生産年齢人口は維持され、高齢化率は2021年に29.2%にまで下がっている。一の橋バイオビレッジの集落再生モデルは、今後の下川町全体の課題解決モデルとして推進されている。

SDGsによるブランディングからさらなる取り組みへ

 1998年の下川町産業クラスター研究会から下川町版SDGsまで、20年以上にわたる取り組みの成果として、2010年代には人口減少が緩和、転入超過の年も出てきた。また、SDGsの枠組みによるブランディングにより、企業との連携も生まれた。戸田建設とは「地方創生に関する包括連携協定」を締結。一の橋地区にイチゴ栽培ハウスを造設し、障がい者支援施設との農福連携による雇用の創出を進めている。三井不動産グループでは社員研修の一環として下川町でSDGs研修を実施し、循環型森林経営やゼロエミッションの木材加工、SDGsを取り入れたまちづくりについて学んでいる。吉本興業とは連携協定を締結し、プロジェクト「下川町株式会社」を創設。住民が参加し「しもかわ森喜劇」の制作と上演、品川ヒロシ監督による下川町を舞台にした映画の制作などが行われた。
 さらに、移住・定住活動を目的とした「一般財団法人しもかわ地域振興機構」を2024年3月に設立。町が100%出資し、職員を2名派遣。移住促進や起業支援、地域人財バンクや空き家バンクの活用を通して移住・定住の促進を目指している。
 SDGsが国連で採択されてから、町の行政に反映させる取り組みを担当してきたSDGs推進戦略室長の蓑島豪さんは、「SDGsを取り入れたメリットとして、これまでの取り組みを17の目標から見直すことで新たな課題の発見や気づきがありました。ここまで取り組みを進めてきましたが、まだ課題は山積しており、下川町のSDGsに終わりはありません。下川町SDGsの進捗を確認しながら、町民の方々、町外の方々とも連携してさらに取り組みを進めていきたい」と総括と抱負を語ってくれた。 

町営の医療・福祉機関が連携して持続化の方策を

 下川町第3期SDGs未来都市計画(2024年〜2026年)には「医療介護福祉連携強化による安心地域構築事業」が位置づけられており、町営の医療介護施設の運営改善、地域包括ケアシステムの推進強化などが課題として挙げられている。保健福祉課では、持続可能な医療、介護、保健体制の構築に向けて取り組みが進められている。
 特に医療機関の経営改善や人材確保は、他の自治体と同様に課題となっている。町では2009年から「町立下川病院改革プラン」を策定して経営改革に取り組んできた。また、特別養護老人ホームやデイサービス等の福祉施設も同様に課題を抱えているため、2023年度から町立病院を始めとする医療機関、福祉施設の施設長など関係者が集まり、維持する方法を数回にわたり議論している。「まだ明確な答えは出ていませんが、民営化を含めて方向性を模索しています。人材不足への対策として、例えば従来は各施設ごとに雇用されている看護師を、町営の施設間で短期間の異動ができるようにするなど、フレキシブルな人事によって人材不足を補う方法が提案されています。そこは町内に各種施設があるメリットを活用していければ」と保健福祉課の高原義輝課長は今後の展望を語る。  

特定健診受診率の向上、重症化予防の取り組み

 下川町の特徴として、特定健診の受診率の高さが挙げられる。ここ数年では60%台前後を維持し、2022年度は67.2%に上っている。受診者の4割ほどが町立下川病院に通院しており、病院との連携により受診者からのデータ受領を確実に行っていることが最大の要因だという。2011年からデータ受領を開始し、約10年間で現在のような受診率になった。
 また、集団健診時には次年度の申し込みを受けてリピート率を上げる、データ分析によりターゲットを絞って未受診者への地道な声掛けをするなども功を奏している。データ分析では重症化予防に向けた訪問・声掛けも行っており、「外来に定期受診してもらう、入院させない」ための取り組みを優先。「小さな町なので、私たちの方で対象者の顔ぶれを把握できており、健診結果はお会いして説明させていただきます。データを一緒に見ながら体の状態を知っていただき、こちらから強くすすめるのではなく、ご自身が気づいてどう調整していくかを選択してもらえるよう心掛けています」と保健福祉課主幹の蓑島美奈子さん。その成果の一つとして、町内の透析患者数は2008年度の19人をピークに年々減少し、現在は9人。国保被保険者からは慢性腎臓病による新規の透析患者が7年間出ておらず、町民の健康増進はもとより町の医療費抑制にもつながっている。
 下川町は名寄保健所の管轄区域で、域内の町村との連携も強い。保健師のリーダーが集まり連絡会議を年数回実施しており、日ごろから情報共有をしている。例えば、糖尿病性腎症重症化予防事業では、圏域内共通のプログラムを作成し、医療機関の協力を得て実施している。「町が持続可能になるには、人が持続可能になることが重要。出来る限り病気や障害にならないための取り組みを進めるのが私たちの役割です」と保健係長の野崎愛美さんは話す。 

高齢者がいつまでも元気に、安心して暮らせる町に

 下川町の高齢化率は40.86%(2024年6月)と高く推移する中、地域包括ケアシステムでは、介護予防を推進すると共に認知症になっても変わらず地域で暮らせるまちづくりへの取り組みが進められている。
 「介護予防・日常生活支援総合事業」では、町内で足りないサービスを補い、試行錯誤しながら必要な人に届く事業を展開している。例えば、利用者の自宅に食事を届ける配食サービスは、2023年度に前年から45%増で15人に752食を提供する一方、下川町共生型住まいの場「ぬく森」に来所してもらい、栄養士が考えた温かい食事を提供する給食サービスは2022年で2人、2023年は0人と利用が少なかった。
 一般介護予防の運動教室などは人気が高く、カーリンコンは2023年に57回実施し、前年から29%増の延べ681人が参加した。疾病により生活機能が低下した人が体操や外出などのリハビリを週2回行う「元気教室」は特に人気で、2023年度は53名が登録し、106回開催、前年の2倍の延べ1,427人が参加。作業療法士が担当して効果が出ていることや、ハイヤー会社と連携して送迎を行っていることが人気の要因と考えられ、受け入れ体制や送迎体制の強化が課題となっている。
 また、高齢者をめぐる犯罪や事故を未然に防ぎ、安全で安心な暮らしが継続できるように地域で見守る「安心支えあいネットワーク」は2008年から地域包括支援センターで取り組んでいる。警察、消防等の公共機関や、地域の商店、新聞販売店、金融機関など63件が登録機関となり、認知症や何か変化のある高齢者などの情報を地域包括支援センターで集約し、関係機関に共有して何かあった場合に通報してもらうなど、見守りの体制を作っている。
 さらに、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを目指すために、社会福祉協議会に「生活支援体制整備事業」を委託して認知症支援コーディネーターを設置したり、生活支援・介護予防に関する資源調査を行い、ニーズと資源をマッチングしている。厚生労働省は2025年までに、認知症サポーターがチームを組み、認知症本人や家族に対して支援を行う「チームオレンジ」を全市町村に設置することを目指している。下川町内の取り組みとしては、2023年にボランティア6人で「しもかわ認知症の人と家族を支える会・ぽけっと」が発足。また、町に事務局を置く認知症サポーターの会「キャラバンメイト・ロバの会」では認知症サポーター養成講座の開催も行っており、現在は214人が認知症サポーターとして登録。「認知症になっても住民が普通に接していける町、認知症を感じさせない町になることで、町全体がチームオレンジになることを目指したい」と地域包括支援センターの平田美和さん。小さな町だからこそ町の人たちが一体となって支えていこうという姿勢か垣間見える。
 産業構造の変化により、人口減少や高齢化が進む自治体の一つである下川町。住民が支える長年の取り組みにより基幹産業を柱とした取り組みを進め、産業を発展させ生産人口を増やすと共に、エネルギー自給で財政と環境を守る側面、また健康増進と高齢者を支える取り組みにより誰もが安心して暮らせる体制の側面から、持続可能なまちづくりが進められている。道内でも先行して課題に直面している下川町から、学べる要素は多いのではないだろうか。

ー 北の恵み ふるさと健康料理 ー

音更町の特産 大豆 「音更大袖振大豆」


 おいしさと栄養を兼ね備えた「音更大袖振大豆」をご賞味ください
  
 音更町は北海道の東部、十勝平野のほぼ中央にあり、総面積の約半分を耕地が占めています。音更川をはじめ大小数多くの川が流れており、農作物の育成に適した、道内でも屈指の穀倉地帯となっています。気候は寒暖差が大きく、年間を通じて晴天の日が多い”十勝晴れ”に恵まれた住みやすい町です。

 基幹産業は農業で、小麦、大豆は作付面積、収穫量ともに日本最大級です。他にも、人参、てん菜、ブロッコリー、馬鈴薯、畜産等も全国的に大きな生産シェアを占めています。

 中でも、大豆は、収穫量日本一であり、音更町で生まれた「音更大袖振大豆」は、他の品種より風味が良く、大粒で上品な味わいが特徴ですが、栽培が難しいため、収穫量が少ない品種でもあります。
「音更大袖振大豆」は、栄養価が優れ、発がん抑制作用があるイソフラボンが他の大豆に比べ約2倍の含量があるほか、眼を守る働きがあるルテイン、抗がん作用があるサポニンが含まれており、私たちの健康を支える機能性成分が豊富な食品です。

 主にお菓子の原料や豆腐等の加工品に使用されており、音更大袖振大豆のきなこで作った「きなこねじり」は、音更町のふるさと納税返礼品でも大変人気の商品です。

 今回は、家庭でも手軽に作れる「簡単手作り味噌」と、「オール音更産の野菜たっぷり呉汁」のレシピをご紹介します。

 調理にあたり、ふれあい交流館の橋本技術アドバイザーにご協力をいただきました。
 レシピ・文 健康推進課 管理栄養士 小瀬菜美子

簡単手作り味噌


◆栄養成分 大さじ1(約18g)
エネルギー31kcal、たんぱく質1.8g、脂質0.9g
炭水化物4.0g、食物繊維0.8g、食塩相当量2.2g
※味噌の塩分濃度15%
◆材料(1.6㎏分)
1
音更大袖振大豆(乾燥)…… 400g
米こうじ……………………… 400g
食塩…………………………… 200g
大豆の煮汁…………………… 30~80ml
◆用意するもの
ジッパー付き保存袋(Mサイズ2枚)
アルコール消毒液
キッチンペーパー
ゴム手袋
フードプロセッサー(大豆をつぶせるもの)
◆作り方
① 大豆を洗って、3~4倍の水に一晩つける。
② 大豆が指でつぶせるまで柔らかく煮る。
③ 米こうじと塩を混ぜ合わせる。
➃ 柔らかくなった大豆と煮汁を分ける。大豆は、フードプロセッサーでつぶす。大豆と煮汁は人肌程度まで冷ます。
⑤ ゴム手袋をはいた手でジッパー付き保存袋の閉じ口をキッチンペーパーを使って、アルコールで消毒する。
⑥ つぶした大豆と米こうじ、塩、煮汁を加えて混ぜる。
⑦ 空気を抜いて、適度な大きさに分け、ジッパー付き保存袋に入れ、閉じ口を再度アルコール消毒し閉じる。
⑧ 新聞紙等で覆い、光が当たらない涼しい場所に保管する。
※早ければ、半年後から食べられます

オール音更産の野菜たっぷり呉汁

◆栄養成分 (1人分)
エネルギー151kcal、たんぱく質9.3g、脂質5.6g
炭水化物16.6g、食物繊維5.3g、食塩相当量1.6g
※味噌量は全体量に対して0.7%濃度で計算。
◆材料(4人分)
音更大袖振大豆(乾燥)… 80g
人参………………………… 1/2本(80g)
大根………………………… 2cm輪切り(80g)
かぼちゃ…………………… 1/12(80g)
小松菜……………………… 1/2株(20g)
長ネギ……………………… 1/4本(40g)
小揚げ……………………… 1枚(12g)
味噌………………………… 大さじ3(55g)
水…………………………… 600ml
◆作り方
① 大豆を洗って3~4倍の水に一晩つける。
② 大根、人参はいちょう切り、かぼちゃは1cmの一口大、長ネギは斜め切り、小松菜は2cmに切る。小揚げは短冊切りにする。
③ ①をミキサーで粗くつぶす。
➃ 大根、人参、小揚げ、③と水を鍋に入れて、火にかける。
⑤ 野菜が柔らかくなったら、かぼちゃを加える。
⑥ 大豆が指でつぶせる柔らかさになったら、味噌で味を整える。
⑦ 長ネギ、小松菜を加えて、ひと煮立ちさせ、完成。

ー レオおばさんはレオナルド ー

子どもの「よい姿勢」のつくり方
猫背・ストレートネック

福岡永告子 FUKUOKA Etsuko(文)  伊藤優香 ITO Yuka(モデル)

子どものうちに悪い姿勢を直そう

 姿勢が悪いと、「だらしない」「行儀が悪い」など見た目が悪いだけではなく、将来的に必ず体のどこかに不調が起こってしまいます。成長期は骨や筋肉が柔らかく変形しやすいため、姿勢の悪い癖が定着しやすいです。また、成長すればするほど筋肉の柔軟性が落ちてくるので、悪い姿勢を直しにくくなります。早期から姿勢改善に取り組むことが重要です。

良い姿勢の形を知ろう!

 姿勢が良いかどうか簡単にできる方法は、平らな壁の前に立ち、壁に背中とお尻、かかとをつけます。顎は引いて後頭部が壁につけば、これが立った時の良い姿勢です。後頭部が壁につかない場合はストレートネックの心配もあります。
さらに細かいセルフチェックをご紹介します。
①膝を曲げずに手の平が床につくか(もも裏・腰・背中側の筋肉の柔軟性)太ももの裏側の筋肉が柔らかければ座っている時も良い姿勢を保ちやすくなります。
②足の裏を全部床につけて完全にしゃがめるか(足首、膝、股関節の柔軟性・筋力・バランス力)深くしゃがむことができないと、例えば重いものを持ち上げる時にしっかり腰を落とすことができず、ぎっくり腰を起こしやすくなるかもしれません。
③耳の後ろまでしっかりと両腕を上げられるか(頭や首の位置・背中が伸びているかで猫背になっているかわかります)良い姿勢のイメージを持つためにも、自分の体を知ることが大切です。

 猫背タイプは背骨の柔軟性が必要

 猫背は、背骨から首あたりが前のめりになっているような姿勢のことで、「悪い姿勢」の代表格です。人間の背骨はまっすぐではなく、少し湾曲しているのが健康な状態ですが、猫背になるとこのバランスが崩れます。姿勢のバランスが崩れているせいで、見た目にも元気がなさそうなイメージを与えます。また背中が丸まり胸郭が閉じてしまうため、呼吸が浅くなりそれが長く続くと肺活量が減ってしまいかねません。肺活量が少なければ、疲れやすくなり、スポーツをしたときに持久力不足になるリスクも高まります。

今回の猫背予防体操は、親子で一緒にできる体操です。姿勢改善にお役立てください。

猫背予防体操
https://youtu.be/rsWTzLI3UxI
これまでの動画
https://k2-wellness.net/
メンバーページパスワード「Leo1989119」

今月のフィットネストーク 
チア・スピリット(笑顔・元気・応援)

 子どもの姿勢」についてお話しさせていただく機会があり、「姿勢が良い子ども」と考えた時、チアダンスを習っている子ども達かな⁈と。国保の写真で登場している伊藤がチアダンスのクラス(4歳児から中学生まで)を指導しているのでレッスンを見学させてもらいました。チアダンスはチアリーディングのダンスの部分を独立させているので、アクロバット的な要素はありません。女の子が笑顔でダンスをするチアダンスは華やかなイメージがありますが、練習は時には厳しく地道な努力が不可欠です。激しい振り付けを笑顔で踊りきる体力が必要なので腹筋、背筋、腕立て伏せ、柔軟など、派手さとは縁遠い基礎練習を繰り返します。そんな基礎練習をこなしている子ども達をみて、「チア・スピリット」という言葉を思い出しました。「笑顔でいること」「元気を伝えること」「応援する気持ち」この3つです。子ども達が大人になって、「頑張っているのに何故だかうまくいない」というときこそ、この3つのことを思い出して欲しいと願い、私も伊藤にチアを教えたことを思い出しました。私の姿勢が伸びたレッスン見学でした。


ー 令和6年度国民健康保険料(税)の賦課状況について(速報) ー

北海道保健福祉部健康安全局国保医療課

1 はじめに

 平成30年度以降の国民健康保険制度においては、道は財政運営の責任主体として中心的な役割を担う一方で、市町村は、地域住民と身近な関係の中、資格管理や保険給付、保険料(税)率の決定、徴収、保健事業など地域におけるきめ細やかな事業を引き続き担う等、道と市町村が一体となって、国民健康保険事業を運営しています。
 また、平成30年度から全道の被保険者の医療費等を全市町村で負担する仕組みである納付金制度が導入されたことから、各市町村は、道があらかじめ通知する年度ごとの納付金の額を道に納付し、道から交付される保険給付費等交付金により医療費の財源を賄っています。
 このような中、国民健康保険財政を健全に維持するためには、引き続き保険料(税)の適正な賦課と徴収及び医療費の適正化等の収支両面にわたる経営努力が必要であり、保険料(税)の適正な賦課総額の確保は、最も基本的な要件になります。
 このたび、道内市町村における「令和6年度国民健康保険料(税)の賦課状況等に関する調査(速報)」を取りまとめましたので、その概要について紹介します。

2 一般状況

(1) 基礎賦課額分(第1表-1)
ア 保険料については、市町村の実情に応じて料制・税制を選択できます。
 道内179市町村(令和6年4月1日現在)のうち、空知中部広域連合(歌志内市、奈井江町、上砂川町、浦臼町、新十津川町、雨竜町の1市5町)及び後志広域連合(島牧村、黒松内町、蘭越町、ニセコ町、真狩村、留寿都村、喜茂別町、京極町、倶知安町、共和町、泊村、神恵内村、積丹町、古平町、仁木町、赤井川村の16町村)ではそれぞれの構成市町村ごと、大雪地区広域連合(東神楽町、東川町、美瑛町の3町)では広域連合において保険料を賦課していることから、本調査の集計の元となる市町村等の数は、177市町村等となります。
 このうち、料制採用が21市町村等(13市・7町村・1広域連合)、税制採用が156市町村(21市・113町村・空知中部広域連合構成の1市5町・後志広域連合構成の16町村)となっています。
イ 市町村等が世帯主に対して保険料を賦課することができる上限額、いわゆる賦課限度額についてですが、法定限度額は令和4年度から65万円とされています。
 賦課限度額を法定どおりとしている市町村等は全177市町村等となっています。
ウ 賦課方式については、所得割、資産割、均等割及び平等割による4方式が40市町村等、所得割、均等割及び平等割による3方式が137市町村となっています。
(2)後期高齢者支援金等賦課額分(第1表-2)
ア 後期高齢者支援金等賦課額分については、平成20年度から後期高齢者医療制度が創設され、各医療保険者が後期高齢者支援金を納付することとされたことに伴い、保険料として負担することとされているものです。
 賦課限度額について、法定限度額は、令和6年度から24万円とされています。賦課限度額を法定どおりとしている市町村等は160市町村等となっています。
イ 賦課方式については、所得割、資産割、均等割及び平等割による4方式が35市町村等、所得割、均等割及び平等割による3方式が139市町村、所得割及び均等割による2方式が3市町村となっています。
(3)介護納付金賦課額分(第1表-3)
ア 賦課限度額について、法定限度額は、令和2年度から17万円とされています。賦課限度額を法定どおりとしている市町村等は全177市町村等となっています。
イ 賦課方式については、所得割、資産割、均等割及び平等割による4方式が34市町村等、所得割、均等割及び平等割による3方式が133市町村、所得割及び均等割による2方式が10市町村となっています。
 なお、賦課方式は、例えば基礎賦課額分を4方式とし、後期高齢者支援金等賦課額分及び介護納付金賦課額分を3方式とする等、基礎賦課額分、後期高齢者支援金等賦課額分及び介護納付金賦課額分を異なる賦課方式とすることも可能です。
備考 第1表-1・第1表-2・第1表-3共通事項
※1 広域連合は、空知中部広域連合(歌志内市、奈井江町、上砂川町、浦臼町、新十津川町、雨竜町)、大雪地区広域連合(東神楽町、東川町、美瑛町)及び後志広域連合(島牧村、黒松内町、蘭越町、ニセコ町、真狩村、留寿都村、喜茂別町、京極町、倶知安町、共和町、泊村、神恵内村、積丹町、古平町、仁木町、赤井川村)をいう。
※2「市町村等」とは、賦課を行った市町村及び広域連合のことであり、大雪地区広域連合は、広域連合として保険料を賦課するため、1市町村等と計上している。また、空知中部広域連合及び後志広域連合は、保険税を構成市町村ごとに賦課するため、構成市町村ごとに計上している。

 3 調定額等の状況

(1)基礎賦課額分+後期高齢者支援金等賦課額分(第2表-1)
 令和6年度の保険料調定額の総額は、902億5,431万円余りで、前年度と比較して0.49%減少しています。
 1世帯当たり調定額は、133,026円であり、前年度と比較して2.86%増加しています。
 市町村別では、最高額433,491円(猿払村)、最低額51,958円(上砂川町)となっています。
 被保険者1人当たり調定額は、93,424円であり、前年度と比較して4.28%増加しており、被保険者1人当たりの調定額については前年度より減少した市町村が39市町村、増加した市町村等が138市町村等となっています(第3表-1参照)。
 市町村別では、最高額188,522円(興部町)、最低額40,260円(上砂川町)となっています。
 (2)介護納付金賦課額分(第2表-2)
 令和6年度の保険料調定額の総額は、73億3,465万円余りで、前年度と比較して0.56%増加しています。
 1世帯当たり調定額は、27,463円であり、前年度と比較して3.23%増加しています。
 市町村別では、最高額82,409円(小清水町)、最低額11,939円(歌志内市)となっています。
 被保険者1人当たり調定額は、23,700円であり、前年度と比較して3.61%増加しており、被保険者1人当たりの調定額が前年度より減少した市町村が52市町村、増加した市町村等が125市町村等となっています(第3表-2参照)。
 市町村別では、最高額60,585円(小清水町)、最低額10,650円(歌志内市)となっています。
(3)各総合振興局(振興局)別の1世帯当たり、被保険者1人当たりの保険料(税)の状況(基礎賦課額分+後期高齢者支援金等賦課額分)(第2表-3)
 1世帯当たり保険料調定額が全道平均を上回っているのは、日高、檜山、留萌、宗谷、オホーツク、十勝、根室の7振興局管内となっています。被保険者1人当たりの保険料調定額が全道平均を上回っているのも、日高、檜山、留萌、宗谷、オホーツク、十勝、根室の7振興局管内となっています。
 なお、双方ともに全道で一番高いのは、根室振興局管内となっています。

4 軽減世帯の状況

(1)基礎賦課額分及び後期高齢者支援金等賦課額分(第4表-1) 
 国民健康保険の被保険者は、年金生活者など低所得者が比較的多く、保険料負担が過重となる傾向があります。これを避けるため、一定の所得以下の世帯については、昭和38年度から保険料を軽減する措置が講じられています。
 
令和6年度の軽減世帯数は、前年度に比べ4.19%減少して、426,492世帯となっており、総世帯数に占める割合は62.86%で、前年度の割合と比較して0.61ポイント減少しています。
 
軽減世帯割合が40%以上である市町村等は162市町村等で、全市町村等の91.53%を占めており、最高は80.63%(上砂川町)、最低は21.73%(猿払村)となっています。
 
軽減世帯割合は、平成26年度に軽減対象所得基準額が大幅に引き上げられて以降、毎年、拡大されていますが、今年度は減少に転じました。

(2)介護納付金賦課額分(第4表-2)
 令和6年度の軽減世帯数は、前年度に比べ1.95%減少し、150,659世帯となっており、総世帯数に占める割合は56.41%で、前年度の割合と比較して0.36ポイント増加しています。
 軽減世帯割合が40%以上である市町村等は125市町村等で、全市町村等の70.63%を占めており、最高は76.12%(上砂川町)、最低は17.29%(猿払村)となっています。

備考 第4表-1・第4表-2共通事項
1 広域連合のうち、空知中部広域連合及び後志広域連合については、構成市町村(22市町村)ごとに記載している。
2 広域連合のうち、大雪地区広域連合については、広域連合としての賦課状況を実数で記載している。
3 軽減世帯数及び軽減世帯割合は、一般世帯(特定世帯以外の世帯をいう。)の数を記載している。

5 限度額超過世帯の状況

(1)基礎賦課額分(第5表-1)
 限度額超過世帯数は、前年度と比較して2.13%増加して、17,536世帯となっており、総世帯数に占める割合は2.58%で、前年度の割合と比較して0.13ポイント増加しています。
 限度額超過世帯割合は、5%未満となっている市町村等が98市町村等で全市町村等の55.38%を占めており、最高は39.95%(猿払村)、最低は0%(歌志内市)となっています。
(2)後期高齢者支援金等賦課額分(第5表-2)
 限度額超過世帯数は、前年度と比較して10.51%減少して、14.572世帯となっており、総世帯数に占める割合は2.15%で、前年度の割合と比較して0.17ポイント減少しています。
 限度額超過世帯割合は、5%未満となっている市町村等が111市町村等で全市町村等の62.72%を占めており、最高は29.44%(猿払村)、最低は0%(歌志内市、神恵内村の2市村)となっています。
(3)介護納付金賦課額分(第5表-3)
 限度額超過世帯数は、前年度と比較して9.15%増加して、9,160世帯となっており、総世帯数に占める割合は3.43%で、前年度の割合と比較して0.37ポイント増加しています。
 限度額超過世帯割合は、5%未満となっている市町村等が97市町村等で全市町村等の54.81%を占めており、最高は30.38%(小清水町)、最低は0%(三笠市、歌志内市、知内町、黒松内町、音威子府村、初山別村、中頓別町の7市町村)となっています。
備考 第5表-1・第5表-2・第5表-3共通事項
1 広域連合のうち、空知中部広域連合及び後志広域連合については、構成市町村(22市町村)ごとに記載している。
2 広域連合のうち、大雪地区広域連合については、広域連合としての賦課状況を実数で記載している。

6 保険料(税)率の決定状況(第6表-1、2及び3)

 保険料(税)率の決定においては、標準保険料率を参考に所得や被保険者数の動向などを踏まえ、必要な賦課総額を確保するなど、健全な事業運営が図られることを基本に決定されることが重要です。
 令和6年度における保険料率の決定状況は、5割以上の保険者が据え置いている状況です。
 今後も引き続き、被保険者の人数、世帯数、所得の動向などを踏まえ、適切に対応していくことが必要です。  
備考 第6表-1・第6表-2・第6表-3共通事項
1 「資産割欄」は、資産割を賦課していない保険者を除く。また、「平等割」欄は平等割を賦課していない保険者を除く。
2 空知中部広域連合及び後志広域連合構成市町村については、構成市町村ごとに計上している。

7 おわりに

 令和6年3月に改訂しました北海道国民健康保険運営方針で、令和12年度を目途として統一保険料を目指すとともに、令和8年度までを経過期間として資産割を廃止することを明記しております。統一保険料については全道どこに住んでも所得が変わらなければ同じ保険料となることを目指すものであることから、道内の市町村が同じ賦課方式、賦課限度額であることが必要となります。
 保険料の賦課徴収に当たっては、国民健康保険財政を健全に維持していくために、また、被保険者間に公平なものとなるよう、応益割率、軽減額、賦課限度超過額の状況等を適切に勘案するとともに、被保険者の所得の把握等に厳正を期し、資格得喪を適正に処理するなど、資格管理や賦課徴収事務の適正化に向け積極的な対策を一層推進されるようお願いします。
 
ー 国民健康保険料(税)賦課支援事業 ー

国民健康保険料(税)賦課支援事業 ~統一保険料に向けて~

総務部事業振興課保険者支援係

  本会では、保険料(税)適正算定マニュアル(以下「算定マニュアル」という。)を活用した国民健康保険料(税)賦課支援事業を行っています。

 算定マニュアルとは、平成4年に厚生省(当時)と国保中央会が、市町村における保険料(税)の適正な算定の支援や保険料(税)負担の平準化に資することを目的に、保険料(税)賦課のシミュレーションを行うために開発したシステムであり、国保中央会のホームページより無償でダウンロードし、通常の業務パソコンで使用できます。

 本事業では、本会職員が事業実施市町村に赴き、算定マニュアルを活用した各市町村の保険料(税)の分析を行っております。

 さらには、北海道保健福祉部健康安全局国保医療課の職員も本事業に参加いただき、国保事業費納付金等の算定の仕組みや令和12年度の保険料水準の統一に向けた考え方等を説明していただいております。
 具体的には、国民健康保険運営方針に基づく市町村の標準保険料率を一致させる統一保険料率の算定方法に変更した場合、各市町村の国保事業費納付金や標準保険料率が将来的にどのように変動するかを一定の前提条件において試算した上で、適正な保険料(税)を算出し分析を行います。

 また、統一保険料率を実現するためには賦課方式の統一(資産割の廃止及び平等割の追加)が必須であることから、本事業では、資産割を採用している4方式及び平等割の追加が必要な2方式の市町村に対し、賦課方式の統一に向けたシミュレーションも実施しております。具体的な内容は、複数の算定方式によるシミュレーションを実施し、市町村全体の軽減前需要額や保険料軽減額、限度超過額等の変動や、所得階級及び世帯人員数ごとの調定額への影響を比較・分析し、市町村の要望に沿った数値をお示しします(図1参照)。

 今年度は令和6年度の国保事業費納付金算定における大幅な算定方式の変更(α=0、β=国基準)による、各市町村の納付金等への影響を考慮し、適正な保険料(税)率の税率改正に資するため、国保事業費納付金等の増減要因を詳しくご説明しております。

 最後に、本事業の実施状況について、今年度は「保険料(税)率改正算定支援事業」を中心に39市町村を対象に事業を実施しております(図2参照)。また、令和6年度の当初賦課後に実施する賦課状況調査の結果を踏まえて、北海道と協議の上「統一保険料実現支援事業」の実施有無を含めて検討いたします。今後も市町村国保担当者や税担当者のお話を直接伺い、さらに充実した内容にしていきたいと考えております。
 
 本事業は、毎年5月頃にご案内をしておりますので、保険料(税)率改正に向けた適正な保険料(税)の分析、将来的な統一保険料の検討をご希望の場合は、是非お申込みくださいますようお願いいたします。
 
【図1】賦課支援事業 資料抜粋
【図2】賦課支援事業実施市町村(直近5年)

 
ー こくほ随想 ー 

課題への弾力的対応PDF(582.29 KB)

 


ー 会の動き ー

令和6年度国保事業費納付金等算定情報作成支援ブロック別説明会
(9月2~9日 北海道内6ブロック)

国保事業費納付金等の算定作業を開始

 令和6年度国保事業費納付金等算定情報作成支援ブロック別説明会について、道内を6ブロックに分け9月2日から9月9日にかけて現地で開催した。

 北海道の財政運営に直結する国保事業費納付金などの算定に必要な情報の重要性を勘案し、市町村・広域連合における納付金等算定情報の作成支援を目的とし、令和7年度の納付金等の算定に向け、北海道と本会の担当者が市町村基礎ファイルなどの詳細について説明した。
 
 始めに、道国保医療課の担当者から「国保事業費納付金制度について」をテーマに、納付金制度の概要や算定方法の仕組みなど、納付金算定の基本的な部分について、新任担当者が理解しやすいように解説した。

 また、令和12年度の統一保険料に向けた、納付金算定における市町村個別の歳入歳出の公費共通化の具体的な手法や意義などについても伝えた。

 続いて、本会の担当者が「国保事業費納付金等算定に向けた情報作成について」と題し、令和7年度の納付金等の算定は、令和6年度と同様に納付金ベースの統一にかかる算定を実施することを説明した。具体的な算定スケジュールについて、10月下旬に国から示される仮係数を基に納付金等を算定し、その結果を市町村に提示するとともに、道国保特別会計の当初予算編成に反映する予定であることを説明した。さらには、12月下旬に示される確定係数を基に再度納付金等の算定を実施し、令和7年1月中旬頃には各市町村に確定納付金等を通知する予定であることなどを述べた。 

 また、市町村基礎ファイルなどの作成から提出の流れ、市町村から報告いただく各種情報の提出スケジュールなどの詳細についても説明した。

 このほか、市町村基礎ファイル等作成の際の留意事項、納付金等算定に必要な情報のチェック方法などについて説明するとともに、保険料(税)適正算定マニュアルの活用方法について紹介した。

 終わりに、本年度より各担当者からの説明終了後にグループ討議を実施し、事前アンケート調査により把握した納付金算定等に係る疑問点に対するより詳細な説明を行うとともに、近隣市町村との情報交換の場としても活用され、市町村業務における細かな質疑や意見などの活発な発言があり、本研修会がより有意義なものとなった。


令和6年度データヘルス推進研修会(保健事業支援・評価委員会研修会)

(9月26日Web開催)

データヘルス推進の意義を再確認

 令和6年度データヘルス推進研修会(保健事業支援・評価委員会研修会)を9月26日、Web配信にて開催した。

 はじめに、東京大学未来ビジョン研究センター特任教授/自治医科大学客員教授の古井祐司氏が、「健康課題に対する個別保健事業の紐づけと成果の見える化に向けて~第3期データヘルス計画の標準化で効果的な保健事業の展開を目指す~」と題して、道外の自治体における標準化の取組からの知見を盛り込みながら講義を行った。

 古井氏は、第2期データヘルス計画までは保健事業の実施率を上げること自体が目的であったが、第3期データへルス計画で目指すことは、「住民の健康課題の解決」であり、健康課題と個別保健事業を紐づけ、効果的な展開につなげていくことがポイントになるとして、健康課題と保健事業が対応できているのか計画を改めて見返してみることを推奨した。

 データヘルス計画の進捗管理においては、設定されている評価指標ごとにKDBシステムや法定報告データを見て評価、進捗管理をしていくが、実績値が把握できない評価指標があれば委託事業者にデータを取ってもらうことも重要であると説明した。
 
 また、保健事業の7割から8割の素晴らしいノウハウはすでに現場にあることから、そのノウハウを共通の評価指標で吸い上げ、明文化をし、都道府県のなかで共有化をしていくことも大事であるとも話した。

 データヘルス計画の標準化では、市町村ごとの実績の分布とその推移を北海道全体で捉え、ノウハウを共有することにより格差の是正と北海道全体のレベルアップにつなげ、医療費の構造や健康状況の推移から施策効果を検証することが可能となり、第3期計画に設定された北海道共通の評価指標で確認することが良いと述べた。

 また、北海道は非常に多くの市町村があるため大変ではあるが、逆手に取ると一つ一つの市町村の工夫により毎年たくさんのノウハウが蓄えられることも強みであるとした。

 続いて、芦別市市民福祉部健康推進課健康推進係 保健師の佐藤有夏氏が「芦別市の健康課題解決に向けた運動習慣定着へのアプローチ~壮年期をターゲットとしたICTの活用と庁内外連携による取組から~」と題して実践報告を、最後に、北海道保健福祉部健康安全局国保医療課保健事業推進係長の鎌田美穂氏が「北海道の健康課題に基づくデータヘルス計画の推進について」と題して情報提供を行った。


令和6年度国民健康保険料(税)適正算定マニュアル研修会

(9月26~27日開催)

パソコンで保険料(税)率を試算

 令和6年度国民健康保険料(税)適正算定マニュアル研修会が9月26、27日の両日、北海道国民健康保険団体連合会で開かれた。市町村担当者は、パソコンを使い、保険料(税)率の算定シミュレーションの操作方法などを学んだ。

 冒頭、本会の保険者支援係の若月主査は「北海道においては、加入者負担の公平化を図るため、令和12年度に統一保険料率を目指すこととされており、今後、各市町村で納付金の増減や3方式への統一などにより税率改正の検討が必要になる際には、現行の保険料(税)率との比較・分析などを容易に行えるソフトである国民健康保険料(税)適正算定マニュアルをご活用いただき、適正な保険料(税)率の算定をしていただきたい」とあいさつした。

 続いて研修では、北海道から示される国保事業費納付金・標準保険料率算定結果表を用い、現行の保険料(税)率との比較・分析の方法を説明。この後、受講者は用意されたパソコンを使い、同マニュアルのシミュレーション操作手順に従い演習問題に取り組み、サンプルデータを基に「適正賦課検算プログラム」、「ループ計算プログラム」の機能を操作し、現行の保険料(税)率から標準保険料率に変更した場合に集められる保険料(税)の違いや、保険料(税)の負担が増減する世帯を所得階層別に把握するなど、同マニュアルの分析結果の活用方法を習得した。


国民健康保険事務研究会
(9月5日開催)

国保の状況や自治体の課題について講演

 国民健康保険事務研究会が9月5日、国保会館で開かれ、厚生労働省保険局国民健康保険課長の唐木啓介氏が「国民健康保険制度を巡る諸課題について」、北海道大学公共政策大学院教授の今井太志氏が「自治体が直面する課題の基本構造を考える~自治体にかけられた呪いのお祓い?~」と題し講演した。

 唐木氏はまず、2040年に向けた社会経済の変化と対応に触れ、団塊世代ジュニア世代が高齢者になり、高齢者人口がピークを迎えると同時に労働の担い手である生産人口の急減が見込まれることから、今後の社会保障の在り方が、いままでの若者が高齢者を支える時代から、全世代で社会保障を構築する時代にすることが重要であるとした。また、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴い、現行の健康保険証が廃止になる施行期日が令和6年12月2日となっており、国民が不安に思っている点について、発行済みの保険証は改正法施行後も1年間有効であることや、マイナンバーカードを取得していない方については「資格確認書」を交付することなどの周知広報を深めていきたいと述べた。
 今井氏は、自治体が直面している課題として、「人口減少問題」については、基本的な解決策は一つで、皆が子供をたくさん産むしかないのだが、それは誰も強制できないことであり、若者の未婚率や晩婚化が進む中、子育てを金銭面を中心に助成しても出産率は下がり続けている。人口減少問題にかかるポイントは人材育成と女性活躍であり、担い手不足に起因する具体的な課題対応が重要であるとした。また、「地方創生」については、地域を活性化することが重要であり、地域活性化とは複数の人たちが何かを目指し取り組むことであるが、最近では地域の稼ぎを増やすことが目的となってきている。地域の稼ぎは外貨を得て、地域で使うことが地域内循環につながることから、地域と地域外をつなぐ観光協会や地域エネルギー会社等に力を注ぐことが重要である。特にこれからのポイントはエネルギーなので、地域で太陽光、風力、水力、バイオマス資源等でエネルギーを作り、化石燃料に変わるエネルギー源とすることで、地域にお金が残り地域活性化につながると述べた。
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