会の動き
令和6年度生活習慣病予防対策担当者研修会
(12月11日Web開催)
糖尿病性腎症重症化予防の取組の推進に向けて
はじめに、旭川赤十字病院副院長兼糖尿病・内分泌内科部長の安孫子亜津子氏が、「糖尿病性腎症の重症化を予防するための保健指導と地域連携」と題して、対象者の優先順位の考え方や効果的な保健指導を実施するための医療連携のほか、最新の糖尿病治療の知見も盛り込みながら講義を行った。
安孫子氏は、市町村が糖尿病性腎症重症化予防事業を行う目的として最も重要なことは、糖尿病が重症化するリスクの高い医療機関未受診・受診中断者に対して、適切な受診勧奨、保健指導を行うことにより、治療に結びつけることであると述べた。また、糖尿病早期からの厳格な血糖コントロールや生活習慣病等の強化療法は、その後の心血管イベントや腎症イベントの発生リスクを下げることができ、早期発見・早期治療につなげるためにも健診受診率を上げる取組の重要性を伝えた。
糖尿病性腎症による透析導入は、全国的にも全道的にも減少傾向にあるが、透析患者の高齢化や腎硬化症の割合が増えているなど新たな課題もある。透析患者が増えていることを鑑み、2016年に厚労省が「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を公表し、各自治体での取組を推進したが、北海道の広域性をふまえ地域の特性に沿ったプログラムの策定が必要であることが述べられ、旭川圏域での取組について説明した。
また、市町村と医療機関との効果的な連携について、両者の特徴を活かした取組が必要であり、互いに理解し合い、関係性を築くことが重要であると述べた。連携のポイントとして、糖尿病連携手帳を活用することで、保健指導対象者のHbA1cの目標値を確認する必要があると伝えられた。
糖尿病治療の目標は、「糖尿病のない人と変わらない寿命とQOLを維持すること」であり、血糖・血圧・脂質の良好なコントロール、適正体重、禁煙が重要となる。特に高齢者は、低血糖のリスクを回避するために、より個別性の高いコントロール目標が設定されており、重症低血糖が危惧される薬剤使用時のHbA1cの下限値の設定や、シックデイ時の休薬が重要である。薬の特徴や生活状況を踏まえて保健指導時にアドバイスできるとよいことが伝えられた。
最後に健診を活用し糖尿病を早期発見・早期診断・早期治療することが大切であり、連携手帳を有効に使ってオール北海道で地域の健康を守っていきたいと述べ、全道の市町村へエールを送った。
つづいて、旭川市福祉保険部国民健康保険課の蛇見祐美氏が「旭川市における糖尿病性腎症重症化予防事業の取組~旭川圏糖尿病性腎症重症化予防協議会の活動から~」と題して実践報告を行った。
旭川圏糖尿病性腎症重症化予防協議会の活動について報告され、これまでの取組の成果として、勧奨後の医療機関受診率や透析導入者数の抑制もあるが、圏域で一体的に取り組むことで自分の自治体の強み・弱みを知ることができ、圏域全体で成果を上げることができていると述べた。
また、取組を推進するためには、自治体の取組を医療機関に知ってもらうことが重要であり、医師会を巻き込んで作ったプログラムは最強の連携ツールであると述べ、協議会の活動を大切にし、顔の見える関係性を継続していきたいと伝えた。
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