会の動き
令和6年度市町村保健活動研修会
(2月10日Web開催)
5歳児健診の取組の推進に向けて
本研修会は、行政の保健活動に携わる職員の有機的な連携促進と地域の健康づくりの体制整備に寄与することを目的に北海道市町村保健活動連絡協議会が主催しており、今年度は、母子保健事業における就学前支援をテーマとした。
同協議会の岩本瑞恵会長の挨拶に続き、鳥取県立総合療育センター院長代理の小枝達也氏が、「5歳児健診の実施に向けて」と題して、5歳児健診の意義やフォローアップ体制について、鳥取県での取り組み状況や最新の情勢を交えながら講義を行った。
小枝氏は、5歳児健診の目的は、発達障害をスクリーニングし特別支援につなげることではなく、子どもの発達の課題を保護者や学校と共有し、必要な支援を早期に提供することで、子どもたちが明るく楽しく元気よく、安心して小学校に就学できることであると述べた。
近年、不登校の児童が増加している背景に、学習や集団行動でのつまずきから、学校に適応できず、問題行動や不登校につながるという悪循環がある。発達の課題に学齢期で気付くのでは遅く、3歳児健診では早すぎるため診断が難しい。就学時健診よりも早い時期に、子どもの特性に合わせた関わり方を進めることで、症状の改善や子どもの自信につながり、就学に向けた準備ができることが5歳児健診の意義であると説明した。5歳児健診の実施と丁寧な事後フォローが、小学生の不登校の減少に寄与したという研究結果について報告し、さらに別の研究でも、5歳児健診は費用対効果が高いことが明らかとなっており、行政にとっても必要性や有効性をアピールできる点であると述べた。また、ポピュレーションアプローチは市町村の保健活動の強みであり、基本的生活習慣の確認、特に夜寝る前のメディア視聴の影響等について、どの家庭にも必要な情報を小枝氏は平成8年度に鳥取県大山町で初めて5歳児健診を実施し、その後鳥取県が5歳児健診推進事業を立ち上げ、平成18年度以降、県内すべての市町村で5歳児への健診や発達相談が実施されている。教育委員会との共同事業として位置付けられていることが鳥取県の特徴であり、教育との連携が重要であると述べた。
5歳児健診の実施体制等について、小枝氏が執筆した『5歳児健康診査マニュアル』をもとに、身体計測結果は平成12年度の成長曲線に落とし、医師に確認してもらう必要があること、診察で所見がある場合は経過観察ではなく、適切な事後支援につなげること、医師の所見と保健師のアセスメントをふまえて、事後カンファレンスにて多職種で判定することがポイントであると伝えた。
最後に5歳児健診のフォローアップ体制について、市町村に求められる役割は5歳児健診の実施体制の整備であると述べ、健診医の不足や教育との連携等課題は残されているが、まずは市町村からアクションを起こすことが重要であり、児童発達支援センターとの連携を強化し、多職種の力を借りて取り組んで欲しいとエールを送った。
つづいて、網走市健康福祉部健康推進課の内海美奈子氏が「わがまちの就学前支援~5歳児相談の取組について~」と題して実践報告を行った。
網走市では平成31年度からハイリスク児を対象とした5歳児相談に取り組んでおり、子どもの得意不得意を知り、就学に向けて相談できる場として、年々相談希望者が増加している。5歳児相談の実施を通じて、教育委員会や学校、こども園との連携が強化され、令和7年度からの5歳児健診の実施に向けて、課題を解決しながらよりよい環境で就学を迎えられるよう支援していきたいと伝えた。
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