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北海道の国保 令和7年(2025年)3月号

ー 時 流 ー

肥満の原因としてのサバイバル・スイッチ

北海道千歳リハビリテーション大学 特任教授 森  満

 私は数年前から左下肢のしびれ感が生じ、寝ていても痛みがあったので、昨年リハビリの専門家に相談したところ、肥満を解消することと、自転車に乗って下肢の筋肉を鍛えること、という指摘を受けた。肥満度にはBMIという指標が用いられ、体重(Kg換算)を身長(m換算)の二乗で割った値である。日本人の場合、BMIが25以上であると肥満と判定されるが、その頃の私のBMIは27であり、明らかに肥満であった。現在は25未満になるように努めている。
 食事として摂取されるカロリー(摂取エネルギー)が、活動によって消費されるエネルギー(消費エネルギー)を上回ると、その差が身体に蓄積されて、体重が増加し、肥満が生じる。従って、摂取エネルギーを減らす、すなわち、飲み食いする量を減らすか、運動などを行って活動する量、つまり、消費エネルギーを増やすことが、体重を減らすことにつながる。
 肥満がリスクを高める疾患としては、糖尿病、痛風、高血圧、虚血性心疾患、脳血管疾患、肝臓病、慢性腎臓病、いくつかの部位のがん(大腸がん、乳がんなど)、腹圧性尿失禁、睡眠時無呼吸症候群、そして、私の罹った関節痛、筋肉痛、神経痛など、数多くある。肥満は、喫煙とともに生活習慣病の2大リスク要因といっても過言ではないだろう。
 2024年8月に、米国コロラド大学医学部教授リチャード・J・ジョンソンによる著書の訳本「肥満の科学. ヒトはなぜ太るのか(NHK出版)」が出版された。その中で、肥満の原因となる摂取エネルギーの増加は、生物学的にサバイバル・スイッチ(生存のスイッチ)が入ってしまうことで起こり、そのスイッチが入る要因として、甘味、塩辛い味、うま味を感じる食品の摂取が挙げられるという。その中でも甘味を感じる果糖の摂取や体内での果糖の生成が、サバイバル・スイッチが入る最も重要な要因である、というユニークな説を示している。
 果糖はブドウ糖と似た単糖類であり、果物や蜂蜜に多く含まれているが、ほとんどの人は、ショ糖(砂糖)や人工甘味料から果糖の大部分を摂取している。「果糖はレプチン抵抗性を引き起こして空腹感をもたらし、私たちにより多く食べさせて体重を増やさせる」(91ページ)。レプチンは、脂肪細胞から分泌され、脳に満腹感を伝え、もうこれ以上食べるな、という指令となるホルモンであるが、果糖はその働きを抑制して、サバイバル・スイッチを入れて摂取エネルギーを増加させるというのである。
 従って、サバイバル・スイッチが入らないように気を付けて食生活をすることが肥満の防止になるわけだが、具体的には、甘味、塩辛い味、うま味を感じる食品の摂取を減らすこと、中でも甘味を感じる果糖が入っている砂糖や人工甘味料の摂取を減らすこと、朝・昼・晩のいずれかの食事を週に何回かでも抜くという断続的断食を行うことなどが示唆されている。サバイバル・スイッチが入らないように意識しながら食事を楽しむことが、摂取エネルギーの減少、ひいては肥満の防止につながるという。


ー 特集 江別市 ー

 江別市は、市内に4校の大学がある環境を生かし、産官学連携により食の健康機能に関わる研究や、デジタルを活用した健康づくりを進めている。また、同市は2017年に「健康都市宣言」を表明し、「すべての市民が生涯を通じて健康に過ごせる健康意識の向上と健康づくりの推進に努める」とし、この宣言を機にさまざまな事業を展開している。今回の特集ではそれらの取り組みの中で、北海道情報大学を拠点に食の機能性を検証する「食の臨床試験 “江別モデル”」、アプリを開発して市民の健康づくりに取り組む「江別市生涯健康プラットフォーム推進事業」、「健康都市宣言」を契機とする健康づくりへの取り組みを紹介する。

食の臨床試験 “江別モデル” 

 北海道情報大学を拠点とし、市民ボランティアが協力して食品の健康機能を検証する「食の臨床試験 “江別モデル”」が確立されている。

 北海道情報大学では、2007年に健康情報科学研究センターを設立。現学長で医学博士の西平順教授がセンター長に就任し、情報技術を活用した食と健康づくりの事業に取り組んでいる。設立当時は食の機能性や付加価値を評価する方法が議論される中、文部科学省の知的クラスター創成事業「さっぽろバイオクラスター構想 “Bio-S”」(2007年度〜2011年度)に採択され、この中で「食の臨床試験」を開始した。この取り組みには、北海道、札幌市、江別市、公益財団法人北海道科学技術総合振興センター(略称:ノーステック財団)などが参画している。

 「食の臨床試験」は、あらかじめ登録した市民ボランティアが被験者となり、健康情報科学研究センターに所属する医師、看護師、管理栄養士、学術担当がスタッフとして携わっているのが特徴。食品の試験を依頼したい企業などが食品を提供し、市民ボランティアの中から参加基準に適した人を選出して試験を行う。

 被験者は3カ月前後にわたり毎日該当の食品を摂取し、試験期間中に定められた日程で血液検査などを行って効果を検証する。担当する医師や研究者が試験の計画立案、被験者の検査、解析、論文発表まで一貫して行っている。これまでさまざまな北海道産食材や企業の製品について検証、機能性表示に活用された(2024年3月末までの累計132件)。市は2010年に北海道情報大学および食品加工研究センター(道立、現在は独立行政法人)と「⾷と健康と情報に係る連携と協⼒に関する協定」を締結し、市民ボランティアの募集などの面で協力している。
 

食の機能性検証だけでなく健康管理に寄与 

 健康情報科学研究センターでは、「食品の機能性を検証し商品開発に貢献するだけでなく、市民の健康の見守り、見直しにも役立てたい」との考え。臨床試験に参加する際に血液検査を実施し、健康アドバイスを行うほか異常値があれば医療機関の受診を勧奨する。大学に設置された生命倫理委員会による審査も行い、倫理的安全性を担保している。市はイベントやセミナー、後述の「フード特区」事業を通して「市民の健康づくりにつながる事業」とアピールし、初年度は1,000人程度だったボランティアを江別・札幌市民約15,000人まで増やした(2024年3月現在)。

 「食の臨床試験」が市民ボランティアの健康意識の向上、生活習慣の改善につながっていることも、健康情報科学研究センターの研究論文で明らかになっている。臨床試験に協力した人を対象に、試験参加後の意識変化について尋ねると、82.4%の人が健康意識が高まっていると回答した。また、「意識している生活習慣」については、「食事」がトップで48.7%、次いで「体調」「運動」が挙がった。臨床試験の継続参加に伴い、臨床検査値にも変化が見られ、1回目参加時と4回目参加時の収縮期血圧、血糖値、中性脂肪いずれも改善していた(西平順、佐藤浩二、アンチ・エイジング医学、17(6):17-24、2021)。
 

「フード特区事業」に位置付け

 2011年から、「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区(フード特区)」に江別市が参画。これは、「EU・北米経済圏と同規模の成長が見込まれる東アジアにおいて、『北海道』をオランダのフードバレーに匹敵する食の研究開発・輸出拠点とする」ことを目的とした事業。農業生産地の帯広・十勝地区、漁業生産地の函館地区、そして「食品の安全性・有用性の分析評価・研究開発及び食品加工の拠点」として札幌・江別地域が位置付けられた。江別市は「食の臨床試験」を中心にこの事業に携わった。

 同事業により「食の臨床試験」の市民ボランティアを拡充、臨床試験も広く周知し、道内はもとより道外からも多くの企業から依頼を受けるようになった。また、2013年に北海道独自の機能性表示食品制度として「ヘルシーDo」が創設され、2021年8月末までに128商品を認証。そして、海外販路開拓支援や商談会の開催により、市内企業の輸出額が2012年度の21,210千円から2021年度には220,527千円と約10倍に拡大した。

 フード特区は2022年3月31日をもって特区の指定が解除されたが、江別市経済部企業立地推進室企業立地課長の遠藤毅史氏は、「食の臨床試験が拡大し検証された食品リストが増えたこと、江別市内外の企業が⾷品の機能性を科学的に証明する⼿段を提供し、これにより新商品開発や輸出促進ができたことが大きな成果」と語る。


※「食の臨床試験」で機能性が実証された食品の例
北海道産食材=大豆(新種)、韃靼ソバ(新種)、マイタケ(新種)、タマネギ(新種)、アスパラガス、カボチ
ャ(新種)、チコリ(根)、長ネギ、道産米(富化米)、カズノコ
加工品・成分=西洋カボチャ種子油、オリゴノールおよびそれらを使用した商品
 

蓄積した情報を健康管理へ活用

 「食の臨床試験」や「フード特区」の事業を進めるうち、「蓄積したデータを分析することで市民の健康管理に活用できるのではないか」という考えから、江別市と北海道情報大学との連携協定のもと「健康管理プラットフォームeヘルスステーション」を開発した。血圧、体重、体組成や活動量を端末で測定しデータ管理を行うもので、ICカードで個人認証してデータを蓄積させる。2024年11月まで市役所など市内9カ所に端末を設置、市民約1,200人がID登録した。
 また、このeヘルスステーションと連動させて利用者のスマートフォンで健康状態を確認できる「食と健康レコメンドシステム LiR(リル)」も開発。PCやスマホで変化を確認でき、健康診断の結果を入力してAIによる健康アドバイスを受けることができる。この時はアプリ開発段階で、市民によるユーザー登録は次の事業で行うことになる。
 

江別市生涯健康プラットフォーム推進事業

 2017年の「健康都市宣言」から「食の臨床試験」や「フード特区」などの取り組みを踏まえ、内閣府が推進する「デジタル田園都市国家構想推進交付金(TYPE2)」の採択を受け、2023年度から江別市主導で包括的健康管理・促進サービス「江別市生涯健康プラットフォーム推進事業」を展開している。「eダイアリー」「eライフトレーナー」「生涯健康マルシェえべつ市場」の3つのアプリを活用して市民の健康づくりを推進するプラットフォームを実装しようというもの。
 

eダイアリー、eウォッチ(健康記録)

 スマホアプリ「eダイアリー」とウェアラブル端末「eウォッチ」を連動させ、日記、運動、摂取カロリー、体組成表など自分だけの記録を蓄積できる。画面がごくシンプルに作られており、簡単に入力できる(アプリ制作はmyFinTech株式会社)。
 「eウォッチ」については、無償貸与するとして募集し約9,000人に貸与した(2025年2月現在)。登録者は50〜70歳代が多く、募集はSNSの広告配信、チラシ、フリーペーパー、新聞広告、イベント時の告知のほか、「健康ポイントを貯めると地元の特産品のプレゼント」等のキャンペーンを行い登録を促した。
 アプリの使い方が分からない高齢者などに説明するための手順書を作り、担当企業によるサポート窓口も設置した。今後は蓄積したデータを活用して、地区や年代ごとの傾向を分析してアプローチできる可能性にも期待している。
 

ライフステーション、eライフトレーナー(健康管理)

 北海道情報大学で研究開発した「健康管理プラットフォームeヘルスステーション」「食と健康レコメンドシステム LiR(リル)」の成果を受け継ぎ、血圧や体重などの測定ができる端末「eライフステーション」と、利用者の健康情報を一元管理し食と健康のアドバイスを行うアプリ「eライフトレーナー」を開発、市民への実装を行った。
「eライフステーション」は市役所や保健センターなど市内4カ所に設置。「eライフトレーナー」には「eライフステーション」での測定結果のほか、血液検査など健康診断の結果を反映でき、お薬手帳の機能も付いている。また、ストレスチェック、食べ物の写真による栄養評価といった機能も搭載されており、約750人が利用している(2025年2月現在)。 
 

生涯健康マルシェ えべつ市場

 ヘルシーDoや機能性表示食品など、健康に配慮した食品を集めたECサイトを目指して「生涯健康マルシェえべつ市場」を開設した。江別市の特産品、各自治体からの出品、全国大手メーカーからの出品の3段階構造を想定しており、現在は江別を中心とした出品内容だが、他の自治体も参画してバラエティー豊かなサイトに育てることを想定している。
 「江別市生涯健康プラットフォーム推進事業」の今後の展開として、同事業を担当する江別市企画政策部デジタル政策室参事の天明屋聡氏は、「最初は興味を持ってくれる市民も多く注目されると思いますが、一時的なもので終わらせず継続して利用されることが課題。そのために参画している大学や企業も含め、アプリの機能をどのようにバージョンアップしていくか検討していきたい」と話す。

江別市の健康推進に関わる事業の展開と課題

 「食の臨床試験」や「江別市生涯健康プラットフォーム推進事業」などに参加する市民の健康意識は高まる一方、特定健診の受診率は28.2%と全道平均を下回っており(2023年度)、関心が薄い層への呼びかけが課題となっている。
 健康に関する体験型イベント「えべつ健康フェスタ」は、「健康都市宣言」を表明したことを機に2017年から開催。市内の大学や団体が出展し、食事栄養バランスチェック、⾻密度や⾎糖値の測定(骨密度・血糖値を測定する機械は国保連合会より貸与)、体⼒チェックなど気軽に受けられる各種チェックや健康相談のほか、若い人にも幅広く関心を持ってもらおうと肌年齢チェックなども行っている。「開始以降、コロナ禍の時期を除き400人から500人の参加者を集めており、また市と大学や参加団体との関係性の維持につながっている」と、江別市健康福祉部健康推進室参事の小関高人氏が語る。

 また、同じく「健康都市宣言」を機に、中学1年生に向けて「生活習慣病予防教室」を開始。各校に保健師が出向き、年1回講話を実施し若いうちからの生活習慣形成を目指している。

特産品である野菜の摂取を増やす

 生産量が全道トップクラスのブロッコリーを始め、野菜の生産が盛んな江別市。新鮮な野菜が手に入りやすい直売所が住宅街の近くに多数ある環境を生かし、野菜摂取を促進する取り組みを進めている。
 市の管理栄養士が簡単に作れる野菜レシピを考案し、約100種類を掲載した「野菜たっぷりレシピ集」をウェブサイト上に掲載。レシピを葉書サイズに印刷したものを市のイベントなどで配布している。また地域柄、家庭菜園をしている家庭が多く、「夏は家庭菜園で作った野菜や近所の人からもらう野菜を食べているが、冬は野菜が不足してしまう」という市民もいる。「野菜の食べ方がマンネリ化してしまう」という人にも、この野菜レシピが好評だという。
 そのほか、飲食店や小売店などで野菜を食べたり購入したりできる店舗を「えべつベジタブルライフ協力店」としてウェブサイトに掲載、店頭にステッカーを貼って表示しており、約100店舗を登録している。

・野菜レシピ紹介
 https://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/soshiki/kenkousuishin/59725.html
・えべつベジタブルライフ協⼒店
 https://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/soshiki/kenkousuishin/67388.html

特定健診受診勧奨、重症化予防

 市の保健センターでは、特定健診受診勧奨、重症化予防に向けて取り組みを続けている。病院や診療所のみなし健診の実施については、規模の大小もさまざまな病院や診療所が多数ある中、アンケート調査等を行い実施状況の把握や促進に努めている。
 また、未受診者の中で条件に該当する人に受診勧奨資材の送付、電話勧奨、また低受診率地区の個別訪問も年間300件程度を目安に順次行っている。そのようにコミュニケーションを取る中で、「受診方法が分からない」という声が上がったため、これまでも広報誌折込で配布してきた市の検(健)診の受け方を案内するパンフレットを、年代や性別による対象者や検(健)診内容についてチャートで分かりやすく解説する内容に変更した。
 保健センター管理係主査の今野槙雄氏と、保健センター主査の佐藤由美子氏は、「他の自治体などを参考に、みなし健診の促進や受診勧奨策を考えています。定期通院中の方や、無関心層にどう訴えるかが課題」と、引き続き地道な活動を続けていくとしている。
 

産官学連携による江別市と北海道情報大学の研究の発展

 江別市と北海道情報大学では、他にもさまざまな研究成果を地域に還元する産官学連携の取り組みを続けている。江別市、北海道情報大学、江別工業団地協同組合が「市内事業所等の健康経営の普及促進及び健康づくり推進のための食と健康と情報に係る連携と協力に関する協定」を締結。働く人の健康増進を通じて企業の生産性向上と健康経営の促進を図るためセミナーの開催や情報提供を行う。
 また、2023年度より江別認知機能コホート研究「江別いきいき未来スタディ」を開始。江別市、北海道情報大学、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)、株式会社島津製作所、一般社団法人セルフケアフード協議会の5者で構成、食と認知症の関係性を10年にわたり調査研究し、軽度認知障害予防に生かすというもの。江別市民から公募した約1,200人を対象とし、血液バイオマーカー、食生活習慣アンケート、運動機能やモーションキャプチャによる歩行姿勢などを活用した健康調査を通して軽度認知障害の早期発見や予防などの解決策の提案を目指す。
 北海道情報大学 健康情報科学研究センターで地域支援コーディネーターを務める地球環境科学博士の伊藤直仁氏は、市民の健康づくりには産官学連携の取り組みが不可欠と強調。「国や自治体の競争的資金などのプロジェクトは3〜5年で終わりますが、その後も継続して取り組みを進めるためには、各組織・団体が単独で進めることが困難です。産学官連携はもとより、協同組合や団体も含め地域で協力し、食・健康・情報を活用して地域の健康づくりに役立てていきたい」と話す。また、江別市から発信して他の地域や全国、海外への展開を目指しているとし、「住民の健康づくりに取り組みたい自治体にぜひ協力したい」と呼び掛ける。


ー 北の恵み ふるさと健康料理 ー

美幌町の特産 アスパラガス

 美幌町は北海道の東部、オホーツク海から30km程の内陸部に位置し、豊かな清流と森林資源に囲まれた農業を基幹産業とした町です。
 美幌町のアスパラガスの栽培は昭和40年代から始まり、現在は「露地栽培」「ハウス立茎栽培」、冬期出荷が可能な「伏せ込み栽培」と全ての作型が導入された国内では唯一、春夏秋冬オールシーズン出荷可能な希少産地となっています。
 「伏せ込み栽培」とは屋外の畑で1年半かけて養成したアスパラガスの根株を秋に掘り起こし、ビニールハウス内に植え替え、伸びた新芽を冬期間に収穫する栽培法です。限られた地域でしか作られない希少性から「冬姫」ブランドとして出荷されています。冬のアスパラガスは甘味が強く、えぐみが少ないため野菜が苦手な方でも食べやすいようです。
 グリーンアスパラガスは、循環器疾患の発症予防の有用性が期待されている葉酸のほか、カロテン、ビタミンCなども多く含みます。また、新陳代謝を促すアスパラギン酸、リラックス効果や睡眠効果が期待されるギャバなど機能性を持つアミノ酸も多く含まれています。
 アスパラ料理は、素材の味とシャキッとした食感を引き出す「茹でアスパラ」が王道ですが、今回は、アスパラガスのうま味を生かした「アスパラつくね フレッシュトマトソースかけ」「アスパラと卵のロールパンサンド」をご紹介します。レシピの考案や試作は、美幌町ヘルスリーダーの会の皆さんにご協力いただきました。
(レシピ・文/美幌町保健福祉課健康推進グループ 管理栄養士 如澤恵子)

アスパラつくね フレッシュトマトソースかけ

 
◆栄養成分(1人分)
エネルギー172Kcal、たんぱく質10.6g
脂質13.8g、葉酸50μg、塩分0.5g

 
◆材料(4人分)
グリーンアスパラガス 4本
豚ひき肉 200g
玉ねぎ(みじん切り)

油   
40g

大さじ1





 
【A】
 卵

1/2個
 しょうが(すりおろし) 小さじ1
 パン粉 10g
 塩・こしょう 少々
 
【フレッシュトマトソース】
トマト 70g
玉ねぎ 25g
青じそ 4枚
オリーブオイル 小さじ2
1g
こしょう 少々
◆作り方
①ボウルに豚ひき肉、玉ねぎのみじん切り、【A】を入れて粘りが出るまでこねる。
②4等分にし、アスパラガスを包むように成型する。アスパラガスの上下は出す。
③大きめのフライパンに油をひいて②をくっつかないように並べ、中火で焼く。焼き色がついたら返して蓋をし、5分焼く。
④トマト、玉ねぎ、青じそはみじん切りにし、オリーブオイル、塩こしょうを入れフレッシュトマトソースを作る。

アスパラと卵のロールパンサンド

◆材料(4人分)
ロールパン……………………… 4個
卵………………………………… 2個
グリーンアスパラガス………… 2本
【A】
マヨネーズ(ハーフ)………… 大さじ3
ハーブソルト…………………… 少々
粒マスタード…………………… 小さじ1
◆栄養成分(1人分)
エネルギー166Kcal、たんぱく質6.9g、脂質8.7g
葉酸44μg、塩分0.9g
◆作り方
①アスパラガスは電子レンジ500wで1分加熱する。ゆで卵を作る。
②ゆで卵をみじん切りにし、【A】をまぜ合わせる。
③アスパラガスの穂先部分は飾り用にとっておき、残りは小口切りにして②にまぜる。
④ロールパンに切り込みを入れ、③をはさむ。
 
ー レオおばさんはレオナルド ー

子育て中でも運動する時間を確保
「子どもと一緒に楽しめるヨガ」

福岡永告子 FUKUOKA Etsuko(文) 伊藤優香 ITO Yuka(モデル) 

慢性的なストレスからくる浅い呼吸

 育児は24時間、365日休みなしで、想定外のことが次々と起こります。
 家事が進まない、子どもが泣き止まない、思い通りに物事が進まない、時間が常に不足している、これらはたくさんのママ達が抱えている悩みではないでしょうか。
 慢性的なストレスや疲労は‶浅い呼吸″になってしまう原因の一つです。
 浅い呼吸になると疲労を感じやすくなります。
 体内に取り込まれた酸素は、疲れや疲労の原因となる血中乳酸を分離したり処理したりする働きがあるといわれています。そのため、浅い呼吸によって体内の酸素が不足している状態では、酸素が満足に体内に供給されている状態と比較し、血中乳酸の処理速度が低下する可能性があります。その結果、疲労を感じやすくなってしまうと考えられています。

おうち時間にヨガを取り入れてみませんか

 専門的な道具を用意しなくても、体一つで始められるヨガをお勧めします。ヨガは呼吸と体の動きを連動させることで心身を整えていきます。大きく深く呼吸することでリラックス効果も期待できます。お子さんを側においてママだけでもできるし、一緒にもできます。キッズヨガスクールでは4歳からのクラスが多いのですが、幼稚園に出向く運動教室では‶年少さん″からヨガを準備運動の一部として取り入れています。
 親子セミナーでヨガを取り入れる場合は「できることをゆっくりしていきましょう」 「見ているだけで脳にインプットされます。 無理やりやらせようとしないで、ご自身の動きをみせるように動いてください」と伝え、‶ママだけヨガ″も推奨しています。

子どもの運動能力の発達のために

 3歳から12歳というのは子どもの運動能力を発達させる大切な時期だと言われています。この時期にヨガを行うことによって、運動不足の解消、身体能力を養う、口呼吸の改善など様々な効果が期待できます。ヨガには有酸素運動や筋力トレーニングといった各要素のバリエーションが豊富に含まれているため、外出しなくてもある程度の運動量を確保することができます。
具体的なヨガのメリットです。
・運動能力が高まる
 ヨガのポーズではバランス感覚や柔軟性といった運動をする際に欠かせない能力を自然と身に付けることができます。そのため体の使い方も分かるようになり、様々なスポーツに対応できるような土台を作ることができます。
・競争がない
 またヨガには競争がありません。
 誰かと比べられることなく、それぞれ自分のペースで体を動かすことを楽しめます。
 運動に苦手意識を持っている子ども達も安心感を持って取り組めます。
 無理せずに、ヨガを取り入れながら子どもと一緒にいる時間を大切にしてください。
子どもと一緒に楽しめるヨガhttps://youtu.be/zKZINnqgz48
これまでの動画
https://k2-wellness.net/
メンバーページパスワード「Leo1989119」

今月のフィットネストーク 
日めくりカレンダーの魅力 

 年明けに日めくりカレンダーをいただいたようですが、重くてかけるところがないのか、常駐している運動指導室の机の上に置いてありました。どれどれ、めくってみようか?と思いビリっとやぶいたところ(めくったのが正しいと思いますが)、なんだかスッキリしました。ビリっ、ビリっともう一ヶ月経ったんだと思いをはせながら1月から2月までめくって破り続けた後、何とも言えない爽快感に包まれました。紙をめくるときの音、質感の効果でしょうか?落ち着いてよく見ると1日ごとに言葉が書いてあるのに気が付きました。この言葉がよくて日めくりカレンダーを使っているという方もいると聞きました。ちなみにこれを書いている今日は「気分をひきしめるために掃除を」翌日は「希望を信じて苦しみに耐えよう」とあります。こういう言葉で気持ちがふっと変わる瞬間があると思います。散策している時にお寺の掲示板に書いてある言葉にハッとする時があります。誰からでもなく、自分に向けられている言葉でもないのに励まされたり自戒させられたりします。「晴れの日は枝が伸びる。雨の日は根が伸びる。」この掲示板を見た時は地に足がついたように思えました。何はともあれ、朝、日めくりカレンダーをめくることが日課になっています。出張で札幌を留守にするときにはスタッフはめくらずに置いといてくれています‼


ー 令和5年度北海道の国民健康保険の財政状況について ー

北海道保健福祉部健康安全局国保医療課

 令和5年度北海道国民健康保険事業特別会計(以下「国保特会」という。)の決算状況の概要について記述いたします。

1 決算状況の概要

 令和5年度国保特会における決算は、歳入総額が4,970億4,359万円、歳出総額が4,930億9,866万円でした(第1表)。
 歳出では安定的な財政運営を図ることを目的として、医療費の増大等に備え、国民健康保険財政安定化基金(以下「財政安定化基金」という。)を取り崩しましたが、医療費の支払等に要する国民健康保険運営費が約29億円の執行残となったことに加え、歳入では国庫支出金が予算額を約10億円上回って交付されたことなどから、収支差引額は39億4,493万円となりました。そのうち、国庫負担金等の精算分1億2,159万円を控除した残余額38億2,334万円を、令和6年度末に財政安定化基金へ積み立てます。
 なお、実質的な収支となる精算後単年度収支差引額(※1)については、単年度収入(※2)4,877億7,929万円から単年度支出(※3)4,921億2,575万円を差し引いた額に、国庫支出金精算額等(※4)55億5,733万円を加えると、12億1,087万円の黒字となる見込みです。

(※1)(精算後単年度収支差引額)=(単年度収入)-(単年度支出)+(国庫支出金精算額等)
(※2)単年度収入とは、収入から基金繰入金(都道府県取り崩し分)、前年度繰越金を除いて算出
(※3)単年度支出とは、支出から繰越に係る基金積立金を除いて算出
(※4)国庫支出金精算額等とは、実績額精算による次年度追加交付額から返還額を差し引いて算出

2 黒字の主な要因

 都道府県国保特会においては、納付金算定時の歳入及び歳出の見込み額を基礎として、市町村から徴収する納付金額を決定します。徴収すべき納付金総額は年度を通じて変動しないものの、歳入及び歳出は見込み額と決算額が異なることがあります。したがって、納付金算定時における(ア)歳入見込み額を実際の執行額が上回った場合、又は、(イ)歳出見込み額を実際の執行額が下回った場合が黒字の要因となります。
 令和5年度の主な黒字要因は、(ア)の要因として、普通調整交付金が約20億9,307万円の増、(イ)の要因として、後期高齢者支援金等支援金が約7億3,490万円の減となったことです。

3 財政健全化の取組

 道国保特会における歳出額の約77%は普通交付金(当初予算額:3,761億1,828万円)で占められています。そのため、その金額の増減が国保特会の収支に大きく影響します。
 令和5年度における普通交付金の決算額は、当初予算額より45億616万円の増となりました。
 執行額が不足する見込みである場合、財政安定化基金の取り崩しにより対応しますが、平成27年度から造成した基金総額(事業充当分)82億8,500万円のうち、平成30年度、令和元年度においては約30%、そして令和3年度、令和4年度においては約8%を取り崩すこととなりました。 その取り崩し額は原則として取り崩しの翌々年度から3年間をかけて積み戻すものの、今後、普通交付金額が大幅に執行見込み額を超える年度があった場合、財政安定化基金の残高によってはその取り崩しによる対応ができないこととなります。なお、令和5年度も収支不足が見込まれたため取り崩しを行いましたが、精算後単年度収支差引額が黒字のため、当該取崩額は令和6年度末に全額積み戻しを行います。
 このようなリスクに対応するためには、普通交付金額を適正に見込むことが想定されますが、その対応には限界があります。そのため、医療費適正化に向けた取組によって、年間医療費及び将来の医療費の抑制を図ることが必要であると考えられます。

4 おわりに

 北海道が財政運営の責任主体となって6回目の決算は、3年振りに実質的な黒字となりましたが、今後の安定的な財政運営に向けては、先述のような課題を引き続き抱えています。
 こうした課題への対応に際しては、北海道と市町村が一体となって取組を進めていく必要があります。安定的な国保財政の運営に向け、今後もより一層のご協力をお願いいたします。

ー 令和5年度国民健康保険のレセプト点検調査結果について(その2) ー

北海道保健福祉部健康安全局国保医療課

 先月号では、レセプト点検調査結果のうち、過誤調整や再審査請求の状況などについて紹介しましたが、今月号では、財政効果やレセプト点検事項別実施状況(令和5年度診療報酬明細書点検調査実施状況報告書様式2-1)などについて紹介します。

第5 財政効果等の状況(表5)

 令和5年度の市町村保険者におけるレセプト点検調査による被保険者1人当たりの財政効果額は2,535円で、前年度と比較すると158円増加しました。
 その内訳は、過誤調整分が前年度より183円増の2,112円、返納金等調定分が前年度より25円減の423円となっています。
 過誤調整分のうち内容点検による被保険者1人当たり財政効果額は666円で、前年度より61円増加しました。
 診療報酬の保険者負担総額に対する財政効果の割合は0.67%と、前年度より0.01ポイント上昇しました。

第6 レセプト点検事項別実施状況(表6)
 
資格点検など8つの点検事項について、それぞれ対象レセプトに対する点検割合が50%以上の保険者の数を表しているのが表6です。
 そのうち、「資格点検」から「給付発生原因」・「給付制限該当」・「調剤報酬との突合」・「点数表との照合」・「手書きレセプト検算」・「縦覧点検」・「介護情報との突合」の8つの点検事項すべてにおいて157保険者で前年同様全保険者が50%以上を達成しました。

第7 レセプト点検の事務処理体制(内容点検)の状況(表7)
 内容点検を担当する職員は北海道全体では164人で、その内訳は正職員が106人、嘱託職員等が58人となっています。配置状況は正職員のうち専任は6人、兼任が100人、嘱託職員等のうち、経験者が42人、その他が16人となっています。
 点検を国保連合会に全部委託している保険者は143保険者、併用委託が22保険者で、前年度より15保険者減少しました。その他、国保連合会以外の保険者は14保険者で、前年度より20保険者減少しました。

第8 保険者別状況(表8)

 保険者別のレセプト点検による被保険者1人当たりの財政効果額は、表8のとおりです。
 前年度と比較すると、財政効果額が上昇した保険者は94保険者、内容点検による財政効果額が上昇した保険者は81保険者となっております。

おわりに

 令和5年度のレセプト点検調査の1人当たりの財政効果額については、前年度を上回る結果となりました。レセプトの点検調査事務は、保険給付の基本的事務ですので、各保険者においては「レセプト点検調査実施計画」を策定し、目標を立てて実施していくとともに点検調査事務のための体制整備等を図り、計画的に実施する必要があります。
 北海道の国民健康保険の医療費は、他都府県より比較的高く、医療費が増加することにより保険財政に大きな影響を及ぼしていることから、北海道としましては、平成31年度から北海道全体でのレセプト点検水準の底上げと平準化を進め、財政運営の責任主体として保険給付の適正化を図るとともに、保険者の事務負担を軽減する観点から、レセプト二次点検(全部委託・併用委託)を国保連合会に委託しているところです。各保険者においても、レセプト点検の取組を引き続き実施していただくとともに、医療費適正化に努めていただくようお願いします。


ー こくほ随想 ー

施政方針演説PDF(753.83 KB)


ー 会の動き ー

令和7年第1回理事会(2月21日開催)

令和7年度予算案などを承認

 令和7年第1回理事会を2月21日に開催し、令和7年度一般会計・特別会計予算案などを原案通り承認した。
 冒頭、山本邦彦理事長と道保健福祉部健康安全局の住友義昭国保医療課長があいさつし、山本理事長は令和7年度の予算案の概要を説明した。
 承認された予算案は、一般会計と国保診療報酬審査支払など6特別会計合わせて総額2兆1304億円で、前年度当初比177億円、0.84%増となった。特別会計予算案においては、被用者保険の対象者拡大や少子高齢化の進展による被保険者数減少が影響し、国保事業では8.7%の減を見込み、一方、高齢化の進展により後期高齢者医療事業は2.7%、介護保険事業は1.0%、障害者総合支援事業は8.5%の増を見込んだ。
 重点的な取り組みとして、保険者や被保険者の財政負担を軽減するため、効果的・効率的な審査支払業務に今まで以上に積極的に取り組み、審査事務能力向上に向けた事例研修や医学的知識の専門研修など充実させ、効率的な審査業務実施のための検討を推進していく。
 北海道から受託しているレセプト二次点検業務については、一次審査を補完する業務であり、更なる医療費適正化につなげられることから、受託保険者の増加に伴う体制整備と点検業務の深化に努める。
 保健事業分野では「道民が健康で豊かに過ごすことができる社会の実現」に貢献し、「全世代型予防・健康づくり推進事業」を展開し、予防・健康づくり施策に対し積極的な伴走型支援を行う。とりわけ、「KDB Expander」が令和5年度から本稼働しており、被用者保険のデータを含めた地域分析など、根拠データ(エビデンス)の活用を更に推進していく。
 保険者事務への支援の拡充については、令和12年度の保険料統一に向けて、現行保険料(税)率と統一保険料率(試算値)に大幅な乖離がある市町村や、北海道が示す市町村基金保有目安額を踏まえた基金を必要とする市町村を中心に、保険料(税)率見直しの支援を積極的に行う。
 また、将来を見据えて、保険者支援の拡充・強化及び審査支払業務の充実を進めるとともに、より効果的で機能的な体制の整備及び組織全体の基盤を強化することを目的に、組織体制及び事務分掌の見直しを行う。

介護給付適正化ブロック別研修会(2月3~28日 道内3か所で開催)

介護給付適正化主要3事業の推進

 介護給付適正化ブロック別研修会が2月3日から2月28日まで、道内3か所(旭川市、札幌市、帯広市)で開催され、札幌開催ではオンライン参加に対応したハイブリッド開催により100名以上の担当者の参加となった。
 国が開催する都道府県職員・国保連合会職員を対象とした介護給付適正化ブロック研修会(令和6年11月岩手県にて開催)での受講内容を道内の保険者に伝達研修することで、保険者が実施する介護給付適正化の一層の推進することを目的としている。
 研修会では最初に、北海道保健福祉部福祉局高齢者保健福祉課の長谷田課長補佐が、保険者による適正化事業の推進として第6期介護給付適正化計画において取組むべき事業である、介護適正化主要3事業の「要介護認定の適正化」、「ケアプラン点検」、「医療情報との突合・縦覧点検」については100%実施を目指し継続して取り組んでいく必要があるとした。
 続いて、本会担当者が給付実績の帳票を活用したケアプラン点検等について説明。本会より毎月提供している帳票のうち「認定調査状況と利用サービス不一致一覧表」では認定調査結果に対し、不適正なサービスが提供された可能性のあるケースを抽出したもので、要介護認定時の利用者の心身状態によって利用が認められないサービスがあるため、出力された情報をもとに確認することで、より効果的なケアプラン点検を実施できることを活用例とともに紹介した。
 また、本会が保険者から委託を受けて実施している「医療情報との突合・縦覧点検」において、介護事業所及び医療機関への確認作業から過誤・再審査まで一連の事務処理を行い、保険者の作業負担の軽減や適正化事業の効率化と令和6年度の制度改正で新規追加となった事例について、各帳票の活用方法や突合する際の注意点を説明した。
 その他、介護給付適正化システムの操作方法や苦情相談業務への活用方法などについても紹介した。

令和6年度市町村保健活動研修会(2月10日Web開催)

5歳児健診の取組の推進に向けて

 令和6年度市町村保健活動研修会を2月10日、Web配信にて開催した。

 本研修会は、行政の保健活動に携わる職員の有機的な連携促進と地域の健康づくりの体制整備に寄与することを目的に北海道市町村保健活動連絡協議会が主催しており、今年度は、母子保健事業における就学前支援をテーマとした。

 同協議会の岩本瑞恵会長の挨拶に続き、鳥取県立総合療育センター院長代理の小枝達也氏が、「5歳児健診の実施に向けて」と題して、5歳児健診の意義やフォローアップ体制について、鳥取県での取り組み状況や最新の情勢を交えながら講義を行った。

 小枝氏は、5歳児健診の目的は、発達障害をスクリーニングし特別支援につなげることではなく、子どもの発達の課題を保護者や学校と共有し、必要な支援を早期に提供することで、子どもたちが明るく楽しく元気よく、安心して小学校に就学できることであると述べた。

 近年、不登校の児童が増加している背景に、学習や集団行動でのつまずきから、学校に適応できず、問題行動や不登校につながるという悪循環がある。発達の課題に学齢期で気付くのでは遅く、3歳児健診では早すぎるため診断が難しい。就学時健診よりも早い時期に、子どもの特性に合わせた関わり方を進めることで、症状の改善や子どもの自信につながり、就学に向けた準備ができることが5歳児健診の意義であると説明した。5歳児健診の実施と丁寧な事後フォローが、小学生の不登校の減少に寄与したという研究結果について報告し、さらに別の研究でも、5歳児健診は費用対効果が高いことが明らかとなっており、行政にとっても必要性や有効性をアピールできる点であると述べた。また、ポピュレーションアプローチは市町村の保健活動の強みであり、基本的生活習慣の確認、特に夜寝る前のメディア視聴の影響等について、どの家庭にも必要な情報を
提供できるポピュレ-ションアプローチの場として、悉皆の健診は有効であると述べた。

 小枝氏は平成8年度に鳥取県大山町で初めて5歳児健診を実施し、その後鳥取県が5歳児健診推進事業を立ち上げ、平成18年度以降、県内すべての市町村で5歳児への健診や発達相談が実施されている。教育委員会との共同事業として位置付けられていることが鳥取県の特徴であり、教育との連携が重要であると述べた。

 5歳児健診の実施体制等について、小枝氏が執筆した『5歳児健康診査マニュアル』をもとに、身体計測結果は平成12年度の成長曲線に落とし、医師に確認してもらう必要があること、診察で所見がある場合は経過観察ではなく、適切な事後支援につなげること、医師の所見と保健師のアセスメントをふまえて、事後カンファレンスにて多職種で判定することがポイントであると伝えた。

 最後に5歳児健診のフォローアップ体制について、市町村に求められる役割は5歳児健診の実施体制の整備であると述べ、健診医の不足や教育との連携等課題は残されているが、まずは市町村からアクションを起こすことが重要であり、児童発達支援センターとの連携を強化し、多職種の力を借りて取り組んで欲しいとエールを送った。

 つづいて、網走市健康福祉部健康推進課の内海美奈子氏が「わがまちの就学前支援~5歳児相談の取組について~」と題して実践報告を行った。

 網走市では平成31年度からハイリスク児を対象とした5歳児相談に取り組んでおり、子どもの得意不得意を知り、就学に向けて相談できる場として、年々相談希望者が増加している。5歳児相談の実施を通じて、教育委員会や学校、こども園との連携が強化され、令和7年度からの5歳児健診の実施に向けて、課題を解決しながらよりよい環境で就学を迎えられるよう支援していきたいと伝えた。
 

公 告
規則第1号 北海道国民健康保険団体連合会保険者事務共同電算処理事業規則の一部改正についてPDF(148.57 KB)
規程第1号 北海道国民健康保険団体連合会事務局の組織及び職務の執行等に関する規程の一部改正についてPDF(786.29 KB)
規程第2号 北海道国民健康保険団体連合会事務取扱規程の一部改正についてPDF(1.42 MB)

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総務部事業振興課

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