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北海道の国保 令和7年(2025年)5月号

ー 時流 ー

ケアを受ける人の「声を聞く」こと

北星学園大学文学部 心理・応用コミュニケーション学科教授 大島寿美子 

 89歳のYさんは、持病と体力の低下で日常生活に介助が必要になり、訪問看護と訪問介護を受けている。日中1人で過ごすYさんを心配した家族がデイサービスの利用を勧めた。見学時にはとても気に入り、利用初日にいそいそと出かけたYさんだったが、その日の夕方帰宅すると家族に「もう行きたくない」と一言。
 家族が理由を聞いても最初は要領を得なかったが、ぽつりぽつりと話をする中でわかってきたのは職員への遠慮だった。「みんな忙しそう」「お願いしてもちょっと待っててと言われなかなか来てくれない」「お風呂で重症の人にかかりきりになって洗ってもらえない」といった言葉から、ケアが受けられないことに不満を感じていたこともわかった。家族は「遠慮しないでどんどん頼んだらいいよ」「何度もお願いしてみたら」と提案したが、Yさんは「もういい」の一点張り。結局デイサービスの利用は止め、訪問介護を増やして在宅生活を続けることになった。
 デイサービスを拒否する高齢者は少なくない。慣れない環境への不安、利用者間の人間関係、他者に世話になることへの抵抗などが原因だという。もちろん最初から楽しみに通う人もいるし、最初は嫌がっても慣れてくると喜んで通うようになった人の話も聞く。Yさんももしかしたら何度か行くうちに雰囲気に慣れ、人間関係もでき、気に入って通うようになったかもしれない。そうならなかった理由は不明だが、ここではこの事例をもとにケアを受ける側とケアをする側の関係性について考えてみたい。
 ケアを受ける側からなにか頼まれたときにすぐに対応できないことは、ケアをする側にとっては珍しくないことだろう。医療や福祉の現場はとても忙しいし、作業中に呼び止められても中断するのが難しいこともあるからだ。また、ケアを受ける人の状況に合わせて優先順位を決めるため、複数の利用者の入浴介助で介護度の高さに応じて人手や時間のかけ方を変えることは、ケアをする側にしてみれば必要なことである。
 しかし、ケアを受ける側にしてみたら違った景色が見えることがある。Yさんの場合、もしかしたら何度も逡巡したあげくにやっとの思いで遠慮がちに声をかけたかもしれない。にもかかわらず「待ってて」と言われたとしたら、とても落胆しただろう。そして職員が来るまでの時間がとてつもなく長く感じられたかもしれない。お風呂では自分も身体を洗うのが大変でつらい気持ちになっていたかもしれない。そういうときに、なかなか手助けに来てくれなかったら、見捨てられた気持ちにもなるだろう。
 『あなたが患者を傷つけるとき:ヘルスケアにおける権力、抑圧、暴力』(ナンシー・L・ディーケルマン編、堀内成子監修、エルゼビア・ジャパン)は、ケアをする側が日常的に何気なくしている行動がケアを受ける側を傷つけている現実を、患者の語りをもとに浮き彫りにする。
 例えば、シャワー室でシャンプーを忘れたことに気づいたある入院患者は、ナースコールで看護師から「水か石けんで洗えばいい」と言われ、絶望的な気持ちになったという。別の患者は特定の看護師からケアを受ける度に痛みを感じていたが、患者がたくさんいて急いでいるから仕方がないとあきらめていたという。
 本書ではこれらの事例は「ヘルスケアの日常性に潜む暴力」として分析される。ここでの「暴力」は、殴る、蹴るなどの身体的な力の行使ではなく、ケアを受ける側の精神や存在を傷つけるような行為を指す。著者の意図はケアをする側を批判することではなく、ケアが疎かにされるシステムの問題を提起することにある。ケアをする側もケアを受ける側もそのシステムの被害者だと著者は主張する。
 Yさんのデイサービスでの体験も、システムの問題といえるかもしれない。ケアの担い手は足りず、ケアは重要だとされながらケア行為もケアをする人々も十分に評価されていない。
 同時に本書の著者は、ケアをする側が自らの有責性を自覚するよう訴える。ケアをする者は、自らの行為が生み出す可能性のある暴力に気づき、受け手の声に耳を澄まさなければならないと。
 ケアを受ける人の声を聞くことは、存在を肯定し、尊厳を守る行為である。Yさんも、何かを手伝ってもらう以前に、ひとりの人間として声を聞いてもらいたかったのではないだろうか。

ー わがまちと国保 ー

北海道統一保険料に向けた取組

幕別町の状況

 幕別町は、北海道・十勝の中央部からやや南に位置し、西は十勝の主要都市である帯広市と更別村に、北は音更町と池田町に、東は豊頃町に、南は大樹町に隣接し、東西間で20㎞、南北間で47㎞の距離で、面積は477.64k㎡、人口は約25,000人の町です。
 日高山脈を遠くに仰ぎ、アイヌ語で「マクウンペツ(山際を流れる川の意)」と言われるように、サケが遡上する猿別川をはじめ、札内川、途別川、十勝川、当縁川が流れ、平地や段丘が広がる豊かな大地では、畑作や酪農を中心とした農業が盛んに行われています。
 四季折々に美しい風景に彩られた本町は、北海道らしい自然に恵まれた素晴らしいまちです。
 それでは、本町の国民健康保険の現状について説明をいたします。
 本町における被保険者数は、団塊の世代の後期高齢者医療制度への移行や被用者保険の適用拡大などの影響から、令和元年度の6,396人から年々減少し、令和5年度は5,595人と、この5年間で約800人減少しています。
 一方で、一人当たりの医療費は、被保険者の高齢化や医療の高度化等により、令和元年度の35万3,808円から、令和2年度に新型コロナウイルス感染症の影響による受診控えにより一旦減少に転じましたが、令和3年度以降年々増加し、令和5年度は39万143円と、令和元年度と比較すると約3万6,000円増加しています。
 次に、税率改正の変遷と国民健康保険基金の残高の推移になりますが、平成27年度以前、本町の国保会計は慢性的な赤字を抱えておりましたことから、随時税率改正を行いつつ、不足分を一般会計からの法定外繰入で補填していましたが、平成28年度の税率改正後は、毎年基金への積立が可能となるまでに財政が回復し、一般会計からの法定外繰入も平成29年度が最後となっています。
 平成28年度の税率改正を最後に国保会計は堅調を維持し、ピーク時の基金は、令和3年度末で2億7,715万8,000円の残高でありましたが、令和4年度以降は、被保険者数の減少による国民健康保険税の減収等により、毎年基金を取り崩している状況にあり、現行税率を維持した場合、令和8年度には基金が枯渇する試算結果となりました。
 このことから、令和12年度の保険料水準の統一を見据えた税率改正に令和4年度から着手したところであり、本稿では、令和7年度に税率改正した本町の取組について紹介いたします。

税率改正に向けての取り組み

 税率改正を行うに当たり、意識した点といたしましては、賃金上昇が物価上昇に追いついていない中、税率を引き上げることは、被保険者の可処分所得の減少につながってしまうため、限りある基金を活用しながら急激な負担増とならないよう、いかに令和12年度の統一保険料率へソフトランディングさせるかという点でした。
 まずは、わが町の現状を把握するため、令和4年度に国保連が実施する国民健康保険料(税)賦課支援事業にエントリーし、実施市町村として決定され、保険料(税)算定マニュアルを活用し、北海道から示される国保事業費納付金、標準保険料率等を参考に現行保険税及び賦課割合との比較、算定状況の分析を行っていただきました。
 その後、算定マニュアルを使用した財政シミュレーションを行った結果、前述のとおり、令和8年度に基金が枯渇することが判明したため、令和7年度からの税率改正に向けた準備を進めることとしました。
 はじめに、税率改正に向けた考え方を整理する必要があり、賦課支援事業でお世話になった国保連の職員と相談を重ねながら、算定マニュアルの国保税収納可能額と納付金算定上の保険税収納必要額、基金残高の推移を見比べながらシミュレーションを繰り返し、最終的に、令和7年度の税率は、現行税率が統一保険料に比べて低い、医療分の所得割率、均等割額、後期分の所得割率、均等割額、平等割額、介護分の所得割率を6年かけて段階的に引き上げ、現行税率が統一保険料率に比べて高い医療分の平等割額を6年かけて段階的に引き下げることとし、令和8年度以降の税率は、北海道から示される納付金額に応じて、その都度税率改正を検討することとしました。
 その後は、改正内容を庁内や議会、運協で説明するための資料づくりに明け暮れ、自分が相手方の立場になった場合、この資料で納得するのかと、自問自答しながら、資料の完成に約2か月を要してしまいました。
 作成した資料を基に、令和6年10月に部内協議、11月に理事者説明、令和7年1月と2月に運協開催、3月に国保税条例の改正を町議会へ提案し、3月21日に無事可決されたところであります。
 今思い返しますと、賦課支援事業でお世話になった国保連の職員が同じ目線に立った寄り添った対応をしてくださったことにより、滞りなくスケジュールどおりに作業を進めることができたものと考えており、正直、この方の支援がなければ、プロセスの途中で挫折していたかもしれず、改めて人と人とのつながりは大切だと感じたところであります。
 私は、この4月の人事異動で職場を離れることとなりましたが、この方とのご縁は異動後も大切にしたいと考えています。
 結びになりますが、税率の引上げは、給付金の給付や料金の無償化と相反して、相手に負担を求めることとなるため、検討から決定までのプロセスには一定の時間を要します。
 うちの町はまだ大丈夫と考えるのではなく、まずは検討に向けた一歩として、周りの職員で話し合ってみませんか。


被保険者数
 令和6年3月末現在の国保被保険者数は、5,595人、3,408世帯で、令和3年度から令和5年度にかけて減少傾向となっております。
 また、人口に占める国保加入割合については、令和5年度で21.84%となっており、令和3年度から令和5年度にかけて減少傾向となっております。
医療費
 1人当たり医療費は、令和5年度実績で約39万円となっており、令和3年度から令和5年度にかけて増加傾向となっております。

ー 北海道市町村保健師合同就職説明会 ー

ー 北の恵み ふるさと健康料理 ー

枝幸町の特産 サケ


味つけを選ばず、あらゆる調理法に向く万能食材のサケ
 
 宗谷管内の最南部に位置している枝幸町は、約58㎞にわたりオホーツク海に面しており、北見山系から連なる山々に囲まれた森と海の自然豊かな町です。
 沿岸部では漁業、内陸部では酪農が盛んであり、毛ガニ、ホタテ、鮭などの海の幸、ハチミツや山菜などの山の幸に恵まれています。
 枝幸の海の特産物である鮭の旬は秋ですが、一年を通して親しまれている食材なので、町のご家庭では鮭を様々な料理に使う方が多くいらっしゃいます。
 鮭はたんぱく質が豊富で、脂肪がやや少ないのが特徴です。血液をサラサラにする作用や認知症の予防に効果があるEPADHAや、抗酸化作用のあるアスタキサンチンも多く含み、生活習慣病やがんの予防に効果が期待できます。
 今回は、枝幸町ヘルスリーダーのカラダ元気で暮らし隊の皆さんにご協力いただき、醤油と米麹を混ぜて発酵させた調味料である醤油麹を組み合わせた鮭の健康料理を考案していただきました。
 醤油麹を組み合わせることでうま味をより強く感じ、甘みも加わるので、塩分を控えてもおいしく食べることができます。どちらの料理も簡単ですので、ぜひ作ってみてください。

(レシピ:カラダ元気で暮らし隊  文:枝幸町保健福祉課管理栄養士 森本久留美)

鮭の醤油麹ホイル焼き

◆材料(2人分)
生鮭
ぶなしめじ
玉ねぎ
ピーマン
黄パプリカ
醤油麹
バター
  
  2切れ(160g)
  40g
  1/2個(100g)
  1個(30g)
  30g
  大さじ2(30g)
  10g
◆栄養価(1人分)
エネルギー204kcal、たんぱく質19.9g、脂質7.6g
炭水化物13.6g、食物繊維2.1g、食塩相当量1.2g
◆作り方
ぶなしめじは石づきをとってほぐす。玉ねぎは半分に切り、7~8㎜厚さの薄切りにする。ピーマンとパプリカは種をとり、小さめの乱切りにする。
30㎝長さのアルミホイルを用意し、ホイルの真ん中に玉ねぎを並べる。玉ねぎの上に鮭をおき、鮭の上や横にしめじと野菜を添える。
バターをのせ、醤油麹をかけて、隙間ができないようしっかりと包む。
水を加えたフライパンに鮭を包んだホイルを並べてふたをする。中火で5分かけた後、弱火に落として10~15分ほど蒸し焼きにする。
アルミホイルの口を開いて火の通りを確認し、火が通っていたらホイルごとお皿に移す。

鮭の酢豚風


◆栄養価(1人分)

エネルギー314kcal、たんぱく質17.7g、脂質12.2g
炭水化物31.5g、食物繊維2.7g、食塩相当量1.3g
 
◆材料(2人分)
生鮭
 醤油麹
 酒
 おろししょうが
かたくり粉
玉ねぎ
ピーマン
なす
さつまいも
揚げ油 
【A】
 砂糖 
 かたくり粉
 酢
 中華スープの素
 醤油麹
 水
  
  2切れ(140g)
  小さじ2(10g)
  小さじ1(5g)
  小さじ1(6g)
  大さじ1(9g)
  1/2個(100g)
  1個(30g)
  1個(70g)
  1/4本(50g)
  適量
  
  大さじ1(9g)
  大さじ1/2(4.5g)
  大さじ1と1/2(22.5g)
  小さじ1/2(1.5g)
  大さじ1(15g)
  150ml
◆作り方
生鮭は1切れを3~4つに切る。醤油麹、酒、おろししょうがに漬けてもみ込み、約15分おく。
ペーパータオルで鮭の水けをふき、かたくり粉をまぶす。

ねぎは1㎝幅に切る。ピーマンはへたと種を除いて、一口大の乱切りにする。なすは縦半分に切り、一口大の乱切りにする。さつまいもは縦半分にして、5㎜厚さに切る。
揚げ油を170℃に熱し、さつまいも、なす、ピーマン、玉ねぎをそれぞれ火が通るまで3分ほど揚げ、油をきる。鮭は、中に火が通るまで5分ほど揚げ、油をきる。
鍋に【A】の調味料を合わせ、混ぜながら中火にかける。とろみがついたら揚げた野菜と鮭を加えて、あんをからめる。
reo

ー レオおばさんはレオナルド ー

春は腰痛が増える⁈
「春の腰痛」予防改善

福岡永告子 FUKUOKA Etsuko(文) 上田莉緒 UEDA Rio(モデル) 

寒暖差がまねく「春腰痛(はるようつう)」

 春は1年のうちで最も寒暖差が大きい季節です。
 春に気をつけたい病気に腰痛があるといいます。
 春は一日の気温の変化が激しく、朝晩で10度近い気温差がある日も珍しくありません。
 また温かくなってきたと思ったら寒の戻りもあり、日ごとの寒暖差も大きい時期です。
 この寒暖差に体が対応できず、血流が悪くなったり、筋肉が硬くなったりをくり返すことで、腰痛のリスクが高まってしまいます。この春特有の寒暖差で起こる腰痛は「春腰痛」といわれています。

暖かくなって体が緩(ゆる)むことも腰痛の原因に

 寒い季節は身体に力が入り全身の筋肉が緊張している状態なので、骨盤まわりの筋肉も緊張していますが、春になり少しずつ暖かくなると、筋肉が柔らかくなり緊張していた筋肉が緩んできます。緩み始めた骨盤は前後左右に動きがでるので自然と腰に力を入れなければなりません。冬の運動不足による筋力低下がある場合、腰に負担が掛かり、これが腰痛を引き起こす原因になります。気持ちよく春を迎えるためにも冬の間の筋力トレーニングは大切です。

腹斜筋(ふくしゃきん)が硬いと腰痛の原因に

 腰痛予防や改善に腹筋トレーニングを行うことはもちろん効果的ですが、縮んで硬くなった腹部の筋肉を伸ばすことも大切です。今回は腹斜筋を伸ばす体操を御紹介します。
 この腹斜筋は両脇腹部分にある筋肉で、肋骨の下半分から骨盤にかけて広くついています。
 この筋肉が硬くなってしまうと、骨盤を正しい位置に保つことができず、慢性的な腰痛を引き起こす原因となります。今回ご紹介する腹斜筋を伸ばす体操(体操❶、❷、❸)は仰向けになって簡単にできます。

春腰痛にならないために

 血流がよくなる運動が腰痛対策に有効です。強い運動をしすぎると、逆に筋肉が疲れて腰痛を悪化させます。ストレッチやウォーキングなどの軽い運動がお勧めです。また、普段から体を温めるよう、心がけることも大切です。
 お風呂は、シャワーだけで済ませず、湯船に浸かりましょう。
 湯船に浸かれば、体を温められ、血流が良くなります。また、リラックス効果も得られ、血流悪化の改善、ストレス軽減につながり「春腰痛」の防止に役立ちます。余裕があれば湯船の中で軽く体を揺らしたり、膝を胸のほうにひきつけたりする体操(体操❹)を試してみてください。腰回りがほぐれて楽になります。
 動画では簡単な腹筋もご紹介しています。余裕がある時は筋トレにもチャレンジしてみましょう!

春の腰痛予防改善

春の腰痛予防改善(フロアエクササイズ)https://youtu.be/qm75pxK2pgY
これまでの動画
https://k2-wellness.net/
メンバーページパスワード「Leo1989119」

今月のフィットネストーク 
「入浴体操」→「水中運動」+「温泉入浴」 

 「春腰痛」の予防でお風呂の効果をご紹介しました。北海道大学名誉教授であり温泉博士、医師でもある阿岸祐幸先生の監修で、入浴体操の普及に努めた時期がありました。今でも私自身は、膝の調子が悪い日はお風呂の中で膝の曲げ伸ばしをして、仕上げに浴槽の中で正座をして膝の調子を確認しています。座りっぱなしでパソコンに向かった日は腰のゴワゴワ感をとるために、腰の入浴体操をしています。1日の終わりの短い時間、しかもリラックスしながらできるので、本当に入浴体操おススメです。入浴体操を実践する場所は、お風呂で、しかもお湯が張った状態でないと臨場感がわかないので、普及活動時は、準備に大変でした。温泉の浴場を貸し切ったり、清掃前の銭湯の浴槽を借りたりしながら、水着で体操をご紹介しました。阿岸先生が北海道大学医学部附属病院登別分院長だった縁で、登別温泉の大きなホテルで入浴体操を日本放送協会の番組の中でPRしたことがあります。今にしてみればずいぶんと勇気のある仕事(水着‼)を引き受けたものだと感心します。2010年のことでした。三笠市では水中運動をした後、温泉入浴するという教室を「介護予防」「生活習慣病予防」ともに実施しています。プールは運動浴専門のため、水温は32度の温かさです。入浴体操ではありませんが、運動と入浴が組み込んだ、体にやさしいプログラムです。北海道の自然財産である‶温泉″を活用した健康づくりが、普及されていくことを願います。
 

ー 令和6年度レセプト点検調査事務実施結果 ー

北海道保健福祉部健康安全局国保医療課

1 概況
 北海道の国民健康保険は、被保険者の急速な高齢化に伴う医療費の増加、また、急激な円安による物価上昇に伴う実質可処分所得の減などによる保険料(税)の確保が懸念されることなどから、保険者の事業運営は益々厳しい状況に置かれているところであり、保険者機能強化による医療費の適正化が強く求められているところです。
 こうしたことから、北海道では各保険者における医療費適正化対策の支援を目的として、レセプト点検調査事務を実施してきたところです。また、令和元年度より北海道全体での点検水準の底上げと平準化を進め、財政運営の責任主体として保険給付の適正化を図るとともに保険者の事務負担の軽減の観点から、レセプト二次点検(全部委託・併用委託)を国保連合会に委託しております。
 令和6年度は、道内157保険者中36保険者(4市30町2村)を対象にレセプト点検を実施しました。(表1 )
 国民健康保険分についての実施結果は次のとおりとなっています。
 前年度と比較し、保険者数で11増( 24市町村1広域連合→36市町村)、対象レセプト件数で10,900件増( 27,300件→38,200件)、疑義レセプト抽出件数では403件増( 255件→658件)となっています。
 本年度のレセプト点検の実施時においては、過去の申し出結果の誤りや見逃しレセプトの誤りを中心に助言を行った
ところです。

2 助言内容
(1) 各保険者においては、限られた期間と人員で、レセプト点検事項の全項目について点検を行うことは容易ではなく、これを効率的・効果的に実施するため、次の事項について重点的に助言を行いました。
 ア レセプトと診療報酬点数表及び薬効・薬価リストに基づく算出点数の適否・照合調査の方法
 イ 診療報酬レセプトと調剤報酬レセプトとの突合点検方法
 ウ 縦覧点検(同一月分の患者、保険医療機関ごとの比較点検、連続した数カ月分の照合点検)の実施方法
(2) 点検したレセプトの総件数38,200件の点検結果は、診療内容等において疑義として抽出したレセプトは658件、抽出率は1.7%でした。(表2 )
(3) 抽出した疑義レセプト658件の点検調査方法別内訳は、診療報酬点数表等との照合調査によるものが83件、全件数の12.6%、縦覧点検(調剤報酬レセプトとの突合点検を含む。)によるものが575件、全件数の87.4%でした。                                    
(4) 保険者別の内容点検対象レセプト件数及び疑義として抽出したレセプト件数は、表3のとおりです。(表3 )
(5) 疑義として抽出したレセプトの診療項目別結果は、検査に関わる誤りが611件(全抽出件数の92.9%)と最も多く、次に注射に関わる誤りが10件(同1.5% )、以下、画像診断、処置、医学管理、投薬、初診料の順となっています。(表4 )
3 おわりに
 令和6年度のレセプト点検の結果は以上のとおりですが、今後、被保険者の高齢化の更なる進行及び医療技術の進歩に伴い、最新の医療機器の導入や高額な医薬品の使用増等により医療費の増嵩が予測されます。
 このため、保険者におかれましては引き続き年度当初に実施計画書を策定し、レセプト点検体制の充実強化、点検担当職員の資質向上や点検調査にあたっての重点目標等を的確に設定のうえ、点検効果額・効果率の向上に取組むとともに、第三者行為の求償等に係る給付発生原因調査(国保連合会提供のリスト等の活用)の円滑かつ確実な実施など、医療費適正化対策の推進について一層のご努力をお願いします。
 


ー こくほ随想 ー

少数与党政権における予算編成PDF(1.17 MB)


ー 令和6年度第三者行為求償事務取扱状況 ー

 第三者行為求償事務は、保険給付の適正化と国保財政の健全化を図るうえで極めて重要な役割を担っております。本会では第三者行為求償事務のより一層の効果を上げるため、国保総合システムを活用し、全保険者に向けてレセプト情報から作成した「第三者行為求償対象候補一覧表」を毎月提供しております。
 また、第三者行為求償事務は民法・道路交通法など、専門的知識と経験が要求され、その対応には難しい面があることから、本会では求償事務専門員による損害保険会社や加害者等に対する交渉(過失割合等)、長期化する求償事務の管理などを行い、保険者事務の大幅な負担軽減に向けて、効率的かつ効果的な給付の適正化を目指しております。
 更に、令和4年6月からは、負傷原因照会、傷病届勧奨及びレセプトの私病分離に係る事務においても受託の範囲を拡大し、現在は145保険者から委託を受け、より積極的に保険者支援を進めているところです。
 なお、委託手数料は、負傷原因照会、傷病届勧奨及びレセプトの私病分離に係る事務及び自動車事故にかかる自動車賠償責任保険・任意自動車保険加入、自転車事故にかかる個人賠償責任保険加入に伴う事案については無償としており、その他の事案は本会が収納した損害賠償金の5%としております。
 本会における保険者支援のほか、厚生労働省保険局国民健康保険課では、第三者行為求償事務の継続的な取り組み強化を図るため、保険者の抱える課題に対して、具体的な解決策等を助言することができる第三者行為求償事務アドバイザーを全国で5名委嘱しており、積極的な活用をするよう呼び掛けております。北海道においては、杉本真希子氏(札幌市保健福祉局保険医療部国保健康推進担当課)が委嘱されておりますので相談が可能です。
 令和6年度における本会の第三者行為求償事務取扱状況は、下部の表のとおりです。
 委託受付件数は817件で、前年度と比較し国保は77件の減、介護は6件の増、後期高齢者医療は62件の増となり、損害保険会社などからの求償収納状況は831件、約5億2,608万円で、前年度より約1億4,996万円減少、交通事故の加害者直接請求及び交通事故以外の第三者行為にかかる損害賠償金の収納状況は、98件、1,980万5,767円でした。
求償事務に関するご質問やご相談等は、
業務支援課第三者求償係までお寄せください。
電話  011-231-5237(業務支援課直通)

令和6年度 第三者行為求償事務取扱状況 (令和6年4月1日から令和7年3月31日)

※詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.hokkaido-kokuhoren.or.jp/hihokensha/daisansha/jiko.html 


ー 令和7年度保健事業等実施計画 ー

北海道国民健康保険団体連合会

保険運営安定化対策事業

健康・医療情報活用推進事業
 国保データベース(KDB)システム等を活用し、健診・医療・介護情報を突合分析することにより、地域の全体像の把握や健康課題を明確化し、効果的・効率的な保健事業の充実を進め、国保、後期及び介護保険の安定的な運営に寄与することを目的として実施する。

 1 国保データベース(KDB)システム実機操作説明会・KDB Expander説明会

 国保データベース(KDB)システムやKDB Expander で保有する健診・医療・介護情報を活用した地域診断から健康課題を明確化し、その健康課題に基づく保健事業対象者を把握することにより、効果的・効率的な保健事業を展開できるよう支援することを目的として、国保データベース(KDB)システムに係る操作及び帳票利活用方法並びにKDB Expanderに係る機能について国保・後期・保健・介護担当職員を対象とした説明会を開催する。
(5月26日~6月10日開催予定)

 2 国保データベース(KDB)システム実機操作支援

 オンラインにより、国保データベース(KDB)システムやKDB Expander の実機操作を中心とした説明を行い、各市町村等が国保データベース(KDB)システムの操作を習得し、保健事業の更なる推進に活用できるよう支援する。
(指定市町村に対し随時実施予定)

 3 健康・医療情報活用支援

 市町村等におけるデータヘルスの推進を目的に、健康課題の明確化、保健事業の企画・立案、評価等において、国保データベース(KDB)システム及びKDB Expander 等の健康・医療情報等を活用し、効果的・効率的な保健事業を推進できるよう支援する。
(指定市町村に対し随時実施予定)

 4 健康・医療情報分析説明会

 市町村等におけるデータヘルス推進に向けて、国保データベース(KDB)システム及びKDB Expander 等の健康・医療情報を活用した健康課題の明確化や効果的な保険者努力支援制度の活用方法等の理解を深めることを目的に、国保・後期・保健・介護担当職員を対象とした説明会を開催する。

 5 保健事業の標準化に向けたブロック別意見交換会

 北海道における保険料水準の統一に向けた保健事業の標準化の議論を深めるため、北海道及び市町村等職員による意見交換会を実施する。
(7月及び10月にそれぞれ道内6地区で開催予定)

 6 健康・医療情報分析事業

 市町村の地域特性に応じた効果的・効率的な予防・健康づくり対策が総合的に推進されるよう、国保データベース(KDB)システム及びKDB Expander 等の健康・医療情報を活用した全道集計、二次医療圏集計及び市町村別のデータを提供する。

 7 特定健診等データ分析事業

 生活習慣病予防対策が総合的に推進されるよう支援することを目的に、前年度の市町村国保の特定健診受診率等を全道及び市町村別に集計し、比較するためのデータを各市町村へ提供する。
(全市町村対象)
全世代型予防・健康づくり推進事業
 「北海道民が健康で豊かに過ごすことができる社会の実現」を目的に、KDB Expander が保有する国保、後期、協会けんぽの健診・医療情報及び介護情報を活用した効果的・効率的な予防・健康づくりを推進する。
国保・後期高齢者ヘルスサポート事業
 市町村等が、健康・医療情報の活用により、地域の特性を把握し、PDCA サイクルに沿った効果的・効率的な保健事業を実施できるよう支援するため、保健事業支援・評価委員会を設置し、個別保健事業の企画・評価等、データヘルス推進に向けた各種支援を実施する。

 1 保健事業支援・評価委員会

 市町村等が、健康・医療情報を活用した効果的・効率的な保健事業の推進に向けて、健康課題の分析、実施計画の策定・評価など企画・立案段階から事業実施・評価、実施体制づくり等、保険者の様々なニーズに応じた助言及び支援を行う。

 2 その他研修会の開催

 市町村等が、生活習慣病対策を推進するために必要な知識・技術の習得と施策立案機能の向上のため、次の研修会等を開催する。
(1)データヘルス推進研修会
 国保・健康づくり部門における保健事業担当者(事務担当者・保健師・管理栄養士・栄養士等)を対象として、生活習慣病予防対策を効果的に進めるために、国保・健康づくり部門が共通理解を深め、地域特性を踏まえ健康・医療情報を活用したPDCAサイクルに沿った保健事業の取組を推進することを目的に研修会を開催する。
(8月中旬にWeb開催予定)
(2) 生活習慣病予防対策担当者研修会
 市町村等保健活動の担い手である保健師・管理栄養士・栄養士・事務職員等を対象として、生活習慣病予防対策に必要な知識・技術の習得と、PDCAサイクルに基づく保健事業の定着を図ることにより、特定健診・特定保健指導事業を含めた生活習慣病予防対策の総合的な推進を目指すことを目的に研修会を開催する。
(12月上旬にWeb開催予定)
協働型支援事業(特定健診受診率向上支援等共同事業)
 北海道全体の特定健診受診率向上に寄与すること目的として、特定健診受診勧奨対象者に対し、AI を活用したデータ分析結果に基づき、行動変容を促すためのナッジ理論やコール・リコール手法を活用した効果的・効率的な受診勧奨を行う。
 また、受診勧奨事業のほか、その他の支援事業として、医療機関を受診している者のうち特定健診未受診者に対して受診勧奨や情報提供勧奨を行う通院者対策事業、生活習慣病の未治療者並びに治療中断者に対して医療機関への受診勧奨を行う重症化予防事業等を併せて行う。
(105市町村委託予定)
医療費分析等市町村支援事業

 1 KDB・医療費データ分析業務

 国保データベース(KDB)システム及びKDB Expander 等のデータを分析し、市町村が実施する保健事業支援に活用する各種資料を作成する。

 2 治療中の被保険者への保健指導事業

 医療機関に通院中であることを理由に特定健診を受診しない被保険者において、特定健診と同項目の診療情報をみなし健診として医療機関より受領・登録し、保健指導に繋ぐためのスキームを構築することで、生活習慣病の重症化予防及び特定健診受診率向上に寄与する。
薬局受診勧奨事業
 通院中の特定健診未受診者に対し、専門家(薬剤師)から特定健診受診を促すことによるメッセンジャー効果、その場で特定健診受診の意思表示をすることによるコミットメント効果等のナッジ理論を活用することにより通院中の未受診者の行動変容を促し、特定健診受診率向上に寄与する。
健診等Web予約システム構築業務
 被保険者を対象とした健診等Web 予約システムの構築を令和7年度から始め、効果的・効率的な仕組みとなるよう検討を行いながら、令和10年度からの稼働を目指し、特定健診やがん検診の受診率向上に寄与する。

被保険者教育事業 

 被保険者が自ら健康づくりの実践に取り組み、さらに個人の健康づくりを支える地域の様々な支援が一体的に推進できる環境の整備を図るため、次の事業を実施する。
保健事業検討委員会の開催
 保険者(担当課長等)による委員会を開催し、保健事業を効果的に推進するため、協議・検討を行う。
視聴覚教材及びイベント用器材の貸出し
 地域住民の健康づくりに関する意識向上のため、保険者等が行う健康まつり等のイベント開催時に健康度測定器材等の貸出しを行う。(本会ホームページ等掲載)
1 DVD作品
2 ヘルスパネル(高血圧、メタボ対策等)
3 超音波骨量測定装置、メタボリ先生(血管年齢測定)等
保険者への情報提供及び被保険者教育用冊子等の作製配布
 保険者(市町村・広域連合・国保組合及び国保運営協議会委員並びに国保診療施設等)に、次の関係資料を配布する。

1 「国保新聞」
2 制度改正等周知用パンフレット
3 その他、被保険者教育用資料及び参考図書

保健推進員リーダー研修会
 各市町村に設置されている保健推進員等の健康づくりリーダーが、地域づくりや住民の健康づくりと疾病予防に果たす役割の理解を深め、地域に根ざした保健活動を行政とともに効果的に推進できるよう支援することを目的に研修会を開催する。
(11月中旬に札幌市で開催予定)
保健活動支援地区事業
 市町村が実施する健康まつり・健康教室に職員の派遣や器材貸出しを行い、市町村職員との協働活動により、被保険者の健康づくりに対する意識を高め、主体的に健康づくりを進められるよう支援する。
(5地区指定予定)
生活習慣改善と生きがいづくり支援事業
 生活習慣の改善とQOL(生活の質)の向上のため、地域で生きがいを持って生活し、併せて健康寿命が延伸されることを目的に、保険者が実施する講座や教室などの被保険者教育事業の支援を行い、被保険者の生活習慣病対策や健康保持増進に関する意識向上に寄与する。
(5地区派遣予定)
予防・健康づくり推進支援事業
 地域における少子高齢化の進展及び疾病構造の変化等を踏まえ、生活習慣病の予防・介護予防及び健康づくりに取り組める社会環境の改善等により、健康寿命の延伸を実現するため、子供から高齢者まで、それぞれのライフステージにおいて実施される様々な対策に対して総合的に支援し、被保険者を含む地域全体の健康づくりを推進する。
(2地区指定予定)

 1 各種健康・医療情報による地域分析支援
 2 地域分析の結果に基づくターゲット抽出支援

  (1) 重症化予防
  (2) フレイル対策
  (3) 重複服薬管理
  (4) 特定健診未受診者対策 

 3 地域資源(施設、人的資源、自然環境等)を活用した予防・健康づくり対策
 4 国民健康保険の保健事業と後期高齢者医療制度の保健事業を総合的に支援するスキームの構
 5 高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施するスキームの構築
 6 地域全体の健康づくりに必要不可欠な保健推進員等のキーマンの育成
 7 農政部門や教育委員会等との庁内横断的な取組、関係機関・関係団体・住民等との協働を基盤とした予
   防・健康づくりへの取組

 8 その他、予防・健康づくり対策の総合的な推進に資する事業

北海道生涯学習協会との連携
 保険者の希望により、生きがいと意欲を持った住民の参加を促進するため、公益財団法人北海道生涯学習協会と連携し、次の事業を「道民カレッジ」の学習単位認定講座とする。

 1 保健活動支援地区事業
 2 生活習慣改善と生きがいづくり支援事業
 3 予防・健康づくり推進支援事業

保健活動等対策事業

保健師リーダー研修会の開催
 高度化・多様化する住民ニーズに対応した地域保健活動の推進力を高めることを目的に、市町村保健活動の中核を担う保健師リーダーを対象とした人材育成研修を行う。
(10月20日に札幌市で開催予定)
高齢者保健事業推進研修の開催
 高齢者の特性を踏まえた保健事業の取組の目的や必要性、内容等の理解促進を図る。
(8月頃にWeb開催予定)
市町村保健師確保支援事業
 市町村保健師の安定的な確保のため、効果的な情報発信等の支援を行う。
北海道保険者協議会との連携
 医療保険者の代表で構成する保険者協議会と連携し、特定健診及び特定保健指導等の実施に向けた医療費分析や保健事業の手法について協議・検討を行う。 
北海道市町村保健活動連絡協議会との連携及び協働活動の推進
市町村保健師の人材育成・確保等における北海道や関係団体等と連携した取組の推進

特定健診等データ管理システムの運用

説明会の開催

 1 特定健診データ管理システム説明会

 特定健診等データ管理システム及び特定健診等支援システムを活用する新任担当者を対象に、基礎となる年間運用スケジュールの把握、保険者が行うシステムの基本的な操作及び概要の説明を行う。
 (4月28日開催・8月初旬にWeb開催予定)

 2 特定健診等データ管理システム外付けシステム改修に係る説明会

 令和8年度に特定健診等データ管理システムの更改を迎えることから、更改する外付けシステムの操作や概要の説明を行う。

ー 令和5年度新・国保3%推進運動実施結果 ー

北海道国民健康保険団体連合会事業振興課

新・国保3%推進運動の取り組み
1.保険料(税)の収納率を1%以上引き上げること
2.医療費適正化対策により医療費の1%以上の財政効果を上げること
3.保健事業活動を促進するため保健事業費として保険料(税)の1%以上を確保すること

 昭和62年からスタートした「国保財政充実強化推進運動」、いわゆる「国保3%推進運動」は、医療保険制度及び社会情勢の大きな変化に伴い、同運動を平成11年3月1日から「新・国保3%推進運動」と改称しました。

 新運動では、これまで各保険者が取り組んできた3%の達成目標を堅持し、特に国保連合会も参画した形で、平成12年度から施行の介護保険制度の財政安定化のため要介護支援者を減少させることに重点をおいた保健事業の展開、医療費適正化の徹底や審査の充実等が打ち出されていることから、本会の事業実施に当たっては、毎年、「国保事業充実強化推進協議会」及び「同運営委員会」において協議・検討を行い、広報事業や保険料(税)収納率向上対策等の各種研修会を実施し、保険者支援の充実強化に努めているところです。
 
 この度、令和4年度「新・国保3%推進運動」実施結果を別表のとおり取りまとめました。

令和4年度 新・国保3%推進運動実施結果(第1表)

 第1表は、令和4年度における実施状況をまとめたものです。
 「(1)収納率向上対策」において、収納率を前年度より上昇させた保険者は77保険者(全道に占める割合49.0%)であり、また、1%以上向上させた保険者は9保険者(全道に占める割合5.7%)となっております。
 「(2)医療費適正化対策」において、レセプト点検(過誤調整を含む)による財政効果率を前年度より上昇させた保険者は84保険者(全道に占める割合53.5%)であり、また、1%以上確保した保険者は21保険者(全道に占める割合13.4%)となっております。
 「(3)保健事業対策」において、保険料(税)決算額に占める割合を前年度より上昇させた保険者は102保険者(全道に占める割合65.0%)であり、また、1%以上確保した保険者は117保険者(全道に占める割合74.5%)となっております。


 

支部別 新・国保3%推進運動関係諸率調(第2表)

 第2表は、それぞれの額・率などを15の支部別(都市支部と町村の14支部)に前年度と比較したものです。
 収納率において、令和4年度全道平均は、96.04%(前年度95.96%)と前年度を0.08ポイント上回っております。また、都市計及び町村計のいずれにおいても同様に0.08ポイント上昇しております。各支部の状況をみると、収納率が前年度より上昇した支部は10支部(前年度14支部)であります。
 レセプト点検による財政効果額(率)において、令和4年度全道平均は1人当たり財政効果額2,376円(前年度2,015円)と前年度を361円上回っており、財政効果率は0.66%(前年度0.57%)と前年度を0.09ポイント上回っております。各支部の状況をみると、財政効果額が前年度を上回ったのは、10支部(前年度7支部)となっております。
 国保特別会計事業勘定における保健事業費において、令和4年度全道平均は、1人当たり保健事業費1,622円(前年度1,587円)と前年度を35円上回っており、保険料(税)に占める割合は2.45%(前年度2.41%)と前年度を0.04ポイント上回っております。各支部の状況をみると、1人当たり保健事業費が前年度を上回ったのは、12支部(前年度11支部)であり、全ての支部(前年度14支部)が保健事業費として1%以上確保しております。

各対策の保険者上位5傑の状況(第3表・第4表)

 第3表は、対策別に1%以上向上・確保した保険者の上位5傑、第4表は、各対策の年度別上位5傑をまとめたものとなっております。

おわりに

 わが国の医療保険財政は、急速な高齢化や疾病構造の変化、医療の高度化等により医療費は年々増加し、危機的状況に陥っております。とりわけ国民健康保険においては、他保険制度と比べて所得水準が低く、被保険者の年齢構成が高く、一人当たり医療費や所得に占める負担割合が高いといった構造的な問題を抱えております。
 
 北海道においてはこれらに加え、全国的にみても医療費水準が高く、医療費の急増により財政運営が不安定になるリスクを抱えている中小規模の保険者が多い状況にあるところです。
 
 このような状況の中、平成30年度から北海道が市町村とともに国保の保険者となり、財政運営の責任主体として国民健康保険事業の安定的な運営や効率的な事業の確保など中心的な役割を担っております。北海道策定の「北海道国民健康保険運営方針」にも掲げられているとおり、収納率向上対策、医療費の適正化、保健事業の推進など、健全で安定的な事業運営を推進するよう求められていることから、本会では現状の課題を的確に把握するための分析が不可欠であると考えております。
 
 現状を踏まえ、本会としても各種統計表の作成、医療費分析等の情報提供を引き続き実施し、今後も保険者ニーズに応えるべく、なお一層の努力をしていく所存であります。
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