ここからサイト内共通メニュー

ここから本文です。

令和7年度 KDB Expander説明会

 本会では、5月27日から6月10日にわたり、KDB Expander説明会が会場とオンラインで7回開催され、総計で245名が参加しました。
 本記事は、市町村の保健事業に活用していただくため、説明会で本会の担当者が講演した内容を再編集して掲載します。

北海道における予防・健康づくり推進に向けた取組

 北海道では、「道民が健康で豊かに過ごすことができる社会の実現」に向け、「全世代型予防・健康づくり推進事業」として、健康寿命の延伸を目指すと共に、保険料の負担軽減や医療介護費の適正化を進めています。保健事業に取り組む市町村では、マンパワー不足などの課題があり、事業展開が難しい状況となっています。そこで、本会がKDBシステムやKDB Expander等のツールを活用し、各市町村の課題などに寄り添い伴走支援を行っています。
 国保の財政運営は、全道の医療費を賄うため北海道から179市町村に対し国保事業費納付金を求め、市町村からは被保険者に保険料(税)を求める仕組みです。各市町村が、保険者努力支援交付金などを有効に活用しながら重症化予防事業などの取組を実施することにより、医療・介護費の適正化につながり、全道の医療費が低くなることが見込まれます。それにより、北海道が各市町村に求める国保事業費納付金も少なくなり、保険料(税)の負担も減っていくという好循環が生まれます。
 しかしながら、高齢化により医療費や介護給付費の抑制は難しい状況です。そのため、治療が必要な方を早期に外来医療につなげ、重症化してからの入院や介護に至らないよう効果的・効率的な保健事業を取り組むことが必要です。早期受診により外来件数や医療費が増加しても、重症化してからの入院医療費や介護給付費を抑制する構造変化が目指す姿です。
 北海道の医療費は、国保医療費が全国19位、後期医療費は全国8位と高い順位となっています。また、協会けんぽ医療費が全国3位と高い状況にあることから、国保や後期高齢者の加入者の医療費を抑制するためには、加入する前の段階である被用者保険時代の健康づくりが重要となります。

KDBシステム及びKDB Expanderの概要と活用

 KDB Expanderは、KDBシステムの機能を補完・拡充するシステムとして、令和5年度から本稼働しました。KDBシステムで管理する国保・後期・介護データに、協会けんぽデータ(被用者保険)を加えた健康・医療情報データベースと、分析システム及び統計システムを連結させたシステムです。全道人口の約7割(医療費にすると約8割)に当たる約370万人のデータをカバーし、10年分のデータを保有しています。協会けんぽのデータが加わることにより、制度横断的なデータ分析が可能となり、地域・職域連携に向けた取組や、まち全体の健康課題を踏まえた高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施にも活用できます。
 KDB Expanderでは、分析データや統計情報などをExcel形式にて自動生成し、市町村ポータルというポータルサイトで提供しています。市町村の担当者は、市町村ポータルにアクセスしていただき、必要な帳票をダウンロードしてすぐにご活用いただけます。また、健診を受診された方向けの健康レポートも保健指導等で活用できるものとして提供しています。これにより、データ分析や保健事業に係る対象者一覧の作成に係る事務負担の軽減が図られます。


図1 KDBシステムとKDB Expanderの特徴の違い

KDB Expander ポータルについて

 KDB Expanderの帳票は、国保・後期・協会けんぽを制度横断で確認可能です。KDBの帳票では手動で作成する必要があった制度横断的なデータをKDB Expanderが自動作成することで、作成に要する時間と手間を省力できます。
 一体的実施分析データ(医療)は、障老を考慮したもので、国保の65~69歳、70~74歳と後期の65~69歳、70~74歳が制度別に表示されています。そのため、制度を分けて見た際の医療費の特徴を把握することができます。(図2)

 

図2 一体的実施分析データ(医療)

地域・職域連携事業

 KDB Expanderでは、KDBで管理してきたデータに加え、被用者保険情報を連結しているのが特徴となっており、制度を跨ぐ分析ができる帳票として「地域・職域制度差分析」や「疾病別医療費分析」があります。
 地域保健と職域保健を合わせた健診の情報やレセプトデータなどを二次医療圏単位や北海道と比較することができ、国保だけではなく、住民全体を対象とした制度横断的な事業の展開につながるデータとなっております。

データヘルス計画評価【新規機能】

 令和8年度のデータヘルス計画の中間評価に活用いただける主な帳票として「データヘルス計画データセット」、「共通評価指標」があります。
 「データヘルス計画データセット」は、表やグラフを完成された形で、Excel形式で提供しているもので、データヘルス計画などの策定にそのまま活用できるものです。また、毎年度提供するデータなので、計画年度ごとの評価に活用できるものとなっております。(図3)
 「共通評価指標」は、データヘルス計画標準化の際に設定した北海道全体に共通する健康課題に関する評価指標27項目について、市町村、北海道、国の数値を提供しているものです。また、市町村の皆様で独自で設定されている評価指標を中心に、約90項目程度を今後追加で提供予定としております。

図3 データヘルス計画データセット

特定健診受診勧奨事業(みなし健診候補者抽出機能等)【新規機能】

 特定健診受診勧奨事業における事業評価に活用できる帳票では、「特定健診受診率・構成割合」、「月別特定健診受診率」があります。過去の特定健診受診履歴から「3年連続受診」などの区分として分類し、区分ごとの受診率の統計や月別の推移を確認することができるため、受診勧奨を行った集団ごとの評価ができます。そして、特定健診未受診者への受診勧奨対象者の選定には、「特定健診受診勧奨対象者一覧」を活用いただけます。新たにみなし健診候補者の分析が可能な機能を搭載したことにより、年間通院回数や医療機関受診時に特定健診検査項目に相当する検査の実施有無などの通院状況をレセプト確認することなく、把握することができます。(図4)

図4 みなし健診の候補者情報を追加

健康レポートの活用

 「健康レポート」は、健診受診者の過去5年間の健診結果や質問票の回答、AIによる分析結果を掲載しています。健診受診者の健康意識の啓発や生活習慣の改善に向けた行動変容の促進を目的としています。なおかつ、健康レポートをKDB Expanderで提供することにより、市町村のマンパワー不足の解消・健診受診後の保健事業の更なる充実を目指しています。(図5)
 

図5 健康レポート

生活習慣病重症化予防事業【新規機能】

 「重症化予防対象者一覧」では、各市町村で設定した抽出条件に応じて、生活習慣病の重症化予防事業の対象者を自動で抽出・リスト化して提供しています。リストには、対象疾患に係る直近の診療状況を把握することができるため、レセプトを確認する作業が省力化され、効率的に介入対象者を抽出できます。また、抽出された対象者については管理ツールを使用することにより、医療機関受診へつながったかなどの事業管理・評価を行うことができます。(図6)

図6 重症化予防対象者一覧

保険者努力支援制度

 KDB Expanderを活用することで、保険者努力支援制度の取組評価分の獲得に向けて活用いただける帳票があります。
 例えば、保険者努力支援制度の評価指標の「生活習慣病等の発症予防・重症化予防」については、帳票「糖尿病性腎症の対象者の概数把握」を活用することで、効果的な対象者抽出・事業評価を実施することができます。
 今後も保険者努力支援制度の点数獲得に向けたKDB Expanderの活用方法については、市町村の皆様に情報共有させていただきます。

地域の健康レポート(RHR)【新規機能】

  「地域の健康レポート(RHR)」は、健康課題に関する「わがまちの状況」を1枚でまとめたものです。これまでは、連合会職員が作成したものを市町村に提供しておりましたが、今年8月から、KDB Expanderにて自動で出力したRHRを提供できる予定です。自動で出力されたRHRを活用いただくことで、市町村における事務作業の省略化につなげ、各市町村の皆様が事業内容の検討にかけられる時間を増やすことができればと考えています。
(図7)

図7 地域の健康レポート

保健事業への活用事例の紹介

 KDB Expanderの各種帳票の説明に加え、KDB Expanderの市町村における活用事例を、3市町にご協力いただき紹介しました。特定健診受診勧奨事業の効果を月別で確認できる「月別特定健診受診率」、保健指導の際に活用いただける「健康レポート」や重症化予防事業における対象者抽出・事業管理を効率的にできる「重症化予防対象者一覧」と「管理ツール」について、各市町ごとに事業の内容・実施タイミング・実施状況に合わせた活用事例を提供いただきました。

お問い合わせ

事業部事業推進課

本文ここまで

ここからフッターメニュー

ページの先頭へ戻る