北海道の国保 令和8年(2026年)2月号
答えを急がない介護
北星学園大学文学部 心理・応用コミュニケーション学科教授 大島寿美子
家族介護者の中で、仕事をしながら介護を担う人々は、近年「ビジネスケアラー」と呼ばれるようになった。経済産業省によれば、超高齢化社会に伴い家族介護者数は増加傾向にあり、2020年の678万人から、ピークを迎える2030年には833万人になると見込まれている。それに伴い、ビジネスケアラーも263万人から318万人へと増加すると予測されている。
2020年時点で、ビジネスケアラーの最も多い年齢層は55〜59歳で、次いで50〜54歳、60〜64歳が続く。管理職や経験を積んだ職業人が多く含まれるこの層が仕事と介護を両立できなくなれば、個人の問題にとどまらず、社会的にも大きな影響を及ぼす。
現在の両立支援の中心は、柔軟な働き方や経済的支援、介護負担の軽減、外部資源の活用といった施策である。これらは、介護の時間や身体的負担をどう調整するか、あるいは介護をどこまで外部に委ねられるかという問いに応えるものだ。
一方、在宅で家族と暮らしながら介護を続ける現場では、制度だけでは受け止めきれない負担が日常的に生じている。説明のつかない身体の不調、繰り返される訴え、対応に迷う言動。こうした日々に向き合い続けること自体が、介護者にとって大きな負荷となっている。
Eさんもその一人である。仕事を続けながら、要介護状態の母親を在宅で介護していた。母親は、頭痛やしびれ、息苦しさなどの身体症状を次々と訴え、そのたびにEさんは病院に連れて行き、時には救急車を呼んだ。だが、検査結果はいずれも問題なし。それでも症状の訴えは止まらなかった。Eさんの中には、怒りや悲しみ、戸惑いが積み重なっていった。
あるとき母親は言った。「なんでこんなに具合が悪いのか知りたい」。それは、これまで何度も繰り返されてきた訴えだった。納得してもらえる答えを探そうとし、受診の必要性を判断しようとしてきたEさんだったが、今回は別の対応を試してみた。ただ「そうね。知りたいよね」と応じ、じっと母親の目を見つめた。すると、母親の表情はわずかに穏やかになり、その日は症状の訴えがおさまった。Eさんは、仕事では状況を整理し、判断し、解決する役割を担ってきた。しかし在宅介護の場面では、別のやり方が有効となることもあると気づいた。
もちろん、医療的対応や安全確保などについての判断や対応が必要になることもある。その一方で、実存的な不安や苦痛に対しては、原因を見つけ、問題を解決しようとすること自体が、かえって介護者・被介護者双方を袋小路に追い込んでしまうこともある。介護者には、時間的負担や身体的負担、経済的負担だけでなく、こうしたコミュニケーションに伴う負担も重くのしかかる。被介護者の訴えや問いに、仕事では有効だったやり方で急いで解決策や答えを出そうとするのではなく、まずは受け止めて耳を傾ける。そうした関わりが、介護される人の不安や申し訳なさ、介護する人の戸惑いや悲しみを和らげ、介護者と被介護者の間に生じがちな緊張をほどいていく。問題解決の前に一呼吸置き、答えを急がない関わり方は、介護する人と介護される人の関係そのものを支える一つの技術といえるだろう。
室蘭市の特産 ホタテ
「おいしい」だけじゃない!指導現場が推す 室蘭ホタテの健康力
北海道南西部、太平洋に突き出した室蘭市は、外洋と湾が共存する独特の地形を持ち、港湾・工業・物流の拠点として発展しながら、豊かな漁場を活かした漁業が根付くまちです。白鳥大橋の架かる絵鞆半島を境に、噴火湾の穏やかな環境と太平洋のダイナミックな潮流が共存し、四季を通じた多様な水産資源と高い鮮度の水揚げ環境を生み出しています。市内にある公設地方卸売市場は地域の生鮮流通の拠点として近隣水産物の安定供給を支えており、鮮度重視の流通が何よりの強みとなっています。室蘭の漁業は、沖合底びき網・刺し網・定置網・養殖・採介藻など、海域特性に合わせた多様な漁法が展開され、40種類以上の魚介類が漁獲されています。その中でも、室蘭を象徴する存在がホタテガイ養殖。かご養殖により栄養豊かな海中で育てるため、砂を噛まず、貝柱は雑味のない上品な甘みと大粒の食感。3年間養殖され、貝の直径が13cm以上に成長し、厳選された良質な貝は室蘭産ブランド活ホタテ「蘭扇(らんせん)」と名付けられています。
ホタテは高たんぱく・低脂肪で、ビタミンB12やタウリンも豊富。100gあたり、たんぱく質66g、脂質0.9g、ビタミンB12 11.0μg、タウリン800mg程度と、生活習慣改善に適した栄養バランスです。塩に頼らず素材のだしで味が決まるため、減塩・満足感・健康改善の両立を目指す保健指導でも提案しやすい食材です。
ホタテのカルパッチョ
| ◆材料(4人分) ホタテ貝柱 ベビーリーフ ブロッコリースプラウト パプリカ(赤・黄) 【カルパッチョソース】 ・粒マスタード ・はちみつ ・しょうゆ ・オリーブオイル ・レモン果汁 ・黒こしょう |
10個程度 適量 適量 少量 小さじ1 小さじ1 小さじ1 大さじ1 小さじ1/2 少々 |

エネルギー81kcal、たんぱく質8.8g、脂質3.4g、炭水化物4.1g、食塩相当量 0.4g
①ホタテは厚さを半分にスライスする。パプリカはみじん切りにする。
②調味料を混ぜ合わせ、カルパッチョソースを作る。
③お皿にホタテ、野菜を盛りつけ、上から②をかける。
※薄切りしたレモンを一緒に盛りつけるのもおすすめです。
ホタテのグラタン

| ◆材料(4個分) ホタテ貝柱 ブロッコリー ミニトマト タマネギ 牛乳 ピザ用チーズ パン粉 小麦粉 バター 塩 こしょう |
8個 小房4個 2個 1/4個 200ml 40g 適量 大さじ1 10g 小さじ1/2 少々 |
◆栄養価(1個分)
エネルギー133kcal、たんぱく質11.8g、脂質6.8g、炭水化物8.5g、食塩相当量1.3g
①ホタテは半分に切り、塩・こしょうをする。
②タマネギは薄切り、ミニトマトは1/4個の大きさに切る。ブロッコリーは小房に分け、茹でる。
➂フライパンにバターを熱し、タマネギを炒める。タマネギの色が透き通ったら、小麦粉を加え、粉っぽさがなくなるまで炒める。
④ ③に牛乳を少しずつ加え、とろみが付いたら、ホタテとブロッコリーを加えてさっと火を通す。
⑤器に④、ミニトマトを盛りつけ、ピザ用チーズ、パン粉をふり、200℃のオーブンで15分程度、焼き色がつくまで焼く。


ダイエットプログラム
跳ばない有酸素運動
福岡永告子 FUKUOKA Etsuko(文) 伊藤優香 ITO Yuka(モデル)
食べる量は増える × 動く量は減る = 体重増加
お正月休みが終わり、スポーツクラブの通常レッスンが始まると「体重が増えて、体が重い‼」「すぐ息があってしまう‼」という参加者の声がスタジオに響きます。
お正月は普段の生活リズムが崩れやすく体重増加につながる条件がそろっています。
お正月太りに限らず、「食べる量は増える × 動く量は減る」といった悪循環が、体重増加を決定的にする最大の要因となります。体重が増えた直後こそ、食事の内容や量を見直し、運動量を増やすなど、早めに「心地よく続けられる健康習慣」を整えていく意識が大切です。
ダイエットとは健康的な体重を維持すること
そのためにも自分の体重が(増えた体重)が適正な体重なのか知ることが必要になります。健診や体組成計測でも、適正体重をチェックするために、肥満度や体格を表す指標の1つであるBMI(Body Mass Index)という数値を使っています。身長、体重がわかれば、自分のBMIを、次の計算式で簡単に求めることができます。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
適正体重を示す年齢別BMIです。適正体重を維持することは、見た目の美しさだけでなく、健康を保つためにもとても大切なことです。
| 適正範囲BMI
18~49歳: 18.5~24.9
50~64歳: 20.0~24.9
65歳以上 : 21.5~24.9
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2025年版) |
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| 肥満
BMI 25以上の状態だと定義されています。
BMI 35以上は高度肥満とされます。
低体重
BMI 18.5未満
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自宅でできる有酸素運動
有酸素運動は、軽め~中程度の負荷で長時間行える運動です。ジョギングやウォーキング、水泳、エアロビクス、エアロバイクなどが有酸素運動に当てはまります。
有酸素運動は酸素を使って体脂肪をエネルギーに変換するため、脂肪燃焼やダイエット効果が期待できます。
今回は自宅でできる有酸素運動をご紹介します。
そのメリットは
・天気や気温を気にせずに運動できる。
・ながら運動ができる(自宅で洗濯機をまわしながら等…)。
・忙しくても隙間時間にできる。など限られた時間の中でできるのが魅力です。
跳ばない有酸素運動
跳ばない有酸素運動は、静かな環境で脂肪燃焼を促進するための運動です。その場足ふみや腕振りは数を数えながらリズミカルに動くことで効率よく脂肪を燃焼することができます。腕振りスクワットや腿上げ運動などは、下半身の強化とともに上体もダイナミックに使うことで全身のシェイプアップを図ることができます。
運動するときには、足が滑らないように工夫したり、物にぶつからないようにしたりするなど安全に考慮した環境づくりをお願いします。




今月のフィットネストーク
痩せたいと思うタイミング=運動!
フィットネスの現場で働いていると「同窓会までに痩せたい!」「親戚の結婚式までに痩せなければならないの‼」女性の悲痛な声を聞くことがあります。年明けに「運動したい」とジムに来たZ世代(17歳~31歳)の女子?女性にどうして運動を始めようと思ったの?と聞くと「友達が痩せた」「着たい服が入らなかったウッ…」「写真が盛れない‼」「推しのライブに行くから」"推し"や"SNS""友人の目にどう映るか?″が気になるようです。中には「部活をやっていてパフォーマンス上げたいから」「部活を引退したら太ってしまった」という運動女子の声も。どんな理由であれ、若者の運動離れがいわれているなか、運動しようと思って実行に移してくれて「ありがとう!」と思いました。
冬期の日曜日のジムは朝から壮年期の男性でにぎわいます。痩せたいから運動しに来ているという男性の声をひろうと、「健康診断での数値が悪化していた」「保健師さんから運動を勧められた」「医師から注意を受けた」「肥満は病気のリスクを高めると聞いたから」と健康上の理由からが多かったように思います。「服が着られなくなり、体重の増加、体型の変化を実感し、運動することを決意した」というリアルな声をありました。運動の継続が体を変えます。短期決戦ではなく、長期的展望で運動を取り入れていって欲しいと思います。
北海道保健福祉部健康安全局国保医療課
1 決算の状況
道内市町村の国民健康保険の令和6年度決算収支は、収入総額が5,370億4,269万円(対前年度比2.8%減)、支出総額が5,333億9,574万円(対前年度比2.8%減)で、収支差引額は36億4,695万円(対前年度比5.8%減)の黒字となり、16年連続の黒字となっています。
主な収入は、保険料(税)が960億4,149万円(構成比17.9%、対前年度比1.0%減)、都道府県支出金が3,791億1,028万円(構成比70.6%、対前年度比3.4%減)、一般会計繰入金が533億2,305万円(構成比9.9%、対前年度比0.5%減)となっています。
一方、主な支出は、総務費が109億2,957万円(構成比2.0%、対前年度比6.3%増)、保険給付費が3,672億9,581万円(構成比68.9%、対前年度比3.6%減)、国民健康保険事業費納付金が1,463億6,157万円(構成比27.4%、対前年度比1.4%減)、保健事業費が48億605万円(構成比0.9%、対前年度比5.2%減)となっています。(第1表-1)
収支差引額の内訳をみると、一般分が51億7,586万円の黒字、介護分が5億1,760万円の赤字、後期高齢者支援分が10億1,131万円の赤字となっています。(第1表-2)

2 黒字保険者・赤字保険者の状況
道内市町村及び広域連合157保険者のうち、前年度に赤字保険者だった2保険者が黒字に転じたことで、道内全ての保険者が黒字となり、その黒字額合計は36億4,695万円となっています。
前年度と比較すると、黒字額は2億3,397万円の減少、赤字額は816万円の減少となり、収支総額は2億2,581万円の減少となっています。(第2表-1、2及び3)

3 財政健全化の取組み
このように、北海道の国民健康保険の財政状況は黒字が続いており、また、令和6年度においては赤字の保険者が無くなり、保険者が解消・削減すべき赤字と定義される一般会計からの決算補填等目的の法定外繰入を実施したのは12保険者、金額は2億7,553万円となっており、前年度から5保険者、1億9,258万円の減少となっていますが、依然として厳しい財政運営が続いているため、各保険者には、より一層の財政健全化に向けた最大限の経営努力が求められます。(第3表)
具体的には、収入に関しては、①保険料(税)の適正な賦課総額の確保、②収納率向上対策の強力な推進、③保険者努力支援制度における各評価指標について着実な加点となるような取組みの推進、支出に関しては、①特定健康診査等実施計画に沿った特定健診・特定保健指導の適正な実施、②レセプト点検事務体制の強化と点検内容の充実、③医療費分析に基づいた効果的な保健事業の実施、④適正受診のための被保険者教育指導の充実・強化、などについて、これまで以上の取組みが求められます。
なお、これらの取組みは、国民健康保険の担当部署が、関係部署と共通認識を持ち、十分な連携のもと全庁体制で展開していくことが重要です。
また、一般会計から決算補填等目的の法定外繰入を行っている保険者や繰上充用金が増加している保険者にあっては、赤字の解消・削減に向けた基本方針や具体的な取組内容を定め、それを着実に実行していくことが不可欠です。
4 おわりに
今後においても、被保険者数の減少に伴う保険料(税)収入の減少や高齢化の進行に伴う医療費の自然増が見込まれるなど、国民健康保険事業運営は厳しい状況となることが予想されます。
各保険者におかれましては、今後なお一層、収入・支出の両面において各種取組みを推進し、国民健康保険事業の運営の安定化に努めていただきますようお願いします。
ー 令和6年度国民健康保険のレセプト点検調査結果について(その1)ー
北海道保健福祉部健康安全局国保医療課
◇はじめに
国民健康保険の事業運営は、被保険者に高齢者や低所得者が多いといった構造的な要因に加え、急速な高齢化等による1人当たり医療費水準が高いほか、加入者の減少に加え所得額に対する保険料負担も著しく高くなっており、今後も極めて厳しい状況となることが予想されます。
とりわけ北海道においては、1人当たり医療費が全国に比べて高い状況にある中、各保険者においては、国民健康保険事業の運営の安定化を図るため、レセプト(診療報酬明細書)点検調査や特定健康診査・特定保健指導の積極的な実施、後発医薬品に係る使用促進など、様々な医療費適正化対策に取り組んでいるところです。
このたび、各保険者における令和6年度レセプト点検調査の実施状況(令和6年度診療報酬明細書点検調査実施状況報告書様式2-1)を取りまとめましたので、市町村保険者の状況について、今月と来月号の2回に分けてご紹介します。
第1 被保険者数等の状況(表1)
市町村へ送付されたレセプトの総枚数は1,578万5,848枚で、これにかかる診療報酬の保険者負担総額は、3,634億4,825万5千円でした。
被保険者1人当たりの金額は38万6,040円、レセプト1枚当たりの金額は2万3,024円で、前年度と比較すると1人当たり金額で8,318円、1枚当たり金額で185円それぞれ増加しました。
レセプト総枚数に対する項目別点検実施割合は、被保険者資格の確認、請求内容の点検ともに前年度と同数の100.00%でした。

第2 過誤調整の状況(表2)
1.被保険者資格点検調査によるもの
第3 再審査請求の状況(表3)
再審査請求により減(増)点されたものの枚数、金額は、14万6,489枚、4億7,343万9千円で、前年度より枚数で3,455枚、金額で703万2千円それぞれ減少しました。
減点割合を枚数でみると75.00%と前年度より7.04ポイント増加しました。

第4 返納金等の調定状況(表4)
(1)不正利得・不当利得
不正利得・不当利得に関する件数、金額は6,010件、3億3,637万8千円で、前年度より件数で85件減少しましたが、金額では9,178万円増加しました。
(2)交通事故
交通事故に関する件数、金額は284件、9,709万8千円で、前年度より件数で69件、金額で5,136万4千円それぞれ減少しました。
(3)業務上傷病
業務上傷病に関する件数、金額は74件、3,449万8千円で、前年度より件数で3件減少しましたが、金額では1,212万4千円増加しました。
(4)公害健康被害
公害健康被害に関する件数、金額は、令和5年度と同様に令和6年度も該当するものはありませんでした。
(5)その他返納金
不正利得・不当利得、交通事故、業務上傷病及び公害健康被害以外のものの件数、金額は33件、373万3千円で、前年度より件数で8件、金額で48万9千円それぞれ減少しました。
(6)収納状況
令和6年度に返納金(徴収金)及び第三者納付金として調定した金額のうち、収納済の金額は4億523万円で、前年度より5,316万5千円増加しました。

北海道保健福祉部健康安全局国保医療課
「北海道医療費適正化計画」は、健康の保持に向けた生活習慣病の予防対策の取組継続や、後発医薬品の使用促進など、医療費の適正化を総合的に推進するための取組についてまとめたもので、道では令和6年度~11年度を計画期間とする「第4期北海道医療費適正化計画」を令和6年3月に策定しました。
今般、国の方針及び計画が改定され、後発医薬品の使用促進に関する新たな数値目標が追加されたことを受け、道では、国の数値目標を踏まえた計画の見直しに向けた検討を進め、関係機関はもとより、パブリックコメントの実施による道民の皆さんからのご意見を踏まえ、令和7年12月に計画の一部を改定しました。
一部改定の概要は以下のとおりです。

なお、計画の全文は、北海道のホームページをご覧ください。
【保健福祉部健康安全局国保医療課ホームページ】
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kki/187710.html
少子化対策PDF(696.59 KB)

お問い合わせ
事業部事業推進課




