令和6年度北海道の国民健康保険の財政状況について
北海道保健福祉部健康安全局国保医療課
1 決算状況の概要
令和6年度国保特会における決算は、歳入総額が4,872億4,145万円、歳出総額が4,811億3,677万円でした(第1表)。
歳出では安定的な財政運営を図ることを目的として、医療費の増大等に備え、国民健康保険財政安定化基金(以下「財政安定化基金」という。)を取り崩しましたが、医療費の支払等に要する国民健康保険運営費が約72億円の執行残となったことに加え、歳入では国庫支出金が予算額を約34億円上回って交付されたことなどから、収支差引額は61億469万円となりました。そのうち、国庫負担金等の精算分21億6,320万円を控除した残余額39億4,149万円を、令和7年度末に財政安定化基金へ積み立てます。
なお、実質的な収支となる精算後単年度収支差引額(※1)については、単年度収入(※2)4,826億8,120万円から単年度支出(※3)4,750億768万円を差し引いた額に、国庫支出金精算額等(※4)19億4,494万円を差し引くと、57億2,858万円の黒字となる見込みです。
(※1)(精算後単年度収支差引額)=(単年度収入)-(単年度支出)+(国庫支出金精算額等)
(※2)単年度収入とは、収入から基金繰入金(都道府県取り崩し分)、前年度繰越金を除いて算出
(※3)単年度支出とは、支出から繰越に係る基金積立金を除いて算出
(※4)国庫支出金精算額等とは、実績額精算による次年度追加交付額から返還額を差し引いて算出
2 黒字の主な要因
都道府県国保特会においては、納付金算定時の歳入及び歳出の見込み額を基礎として、市町村から徴収する納付金額を決定します。徴収すべき納付金総額は年度を通じて変動しないものの、歳入及び歳出は見込み額と決算額が異なることがあります。したがって、納付金算定時における(ア)歳入見込み額を実際の執行額が上回った場合、又は、(イ)歳出見込み額を実際の執行額が下回った場合が黒字の要因となります。
令和5年度の主な黒字要因は、(ア)の要因として、普通調整交付金が約25億4,064万円の増、(イ)の要因として、保険給付費等交付金が約14億2,384万円の減となったことです。
3 財政健全化の取組
道国保特会における歳出予算額の約77%は普通交付金(当初予算額:3,675億3,800万円)で占められています。そのため、その金額の増減が国保特会の収支に大きく影響します。
令和6年度における普通交付金の決算額は、当初予算額より4億1,650万円の減となりました。
執行額が不足する見込みである場合、財政安定化基金の取り崩しにより対応しますが、平成27年度から造成した基金総額(事業充当分)82億8,500万円のうち、平成30年度、令和元年度においては約30%、そして令和3年度、令和4年度においては約8%を取り崩すこととなりました。 その取り崩し額は原則として取り崩しの翌々年度から3年間をかけて積み戻すものの、今後、普通交付金額が大幅に執行見込み額を超える年度があった場合、財政安定化基金の残高によってはその取り崩しによる対応ができないこととなります。なお、令和6年度も収支不足が見込まれたため取り崩しを行いましたが、精算後単年度収支差引額が黒字のため、当該取崩額は令和7年度末に全額積み戻しを行います。
このようなリスクに対応するためには、普通交付金額を適正に見込むことが想定されますが、その対応には限界があります。そのため、医療費適正化に向けた取組によって、年間医療費及び将来の医療費の抑制を図ることが必要であると考えられます。
4 おわりに
北海道が財政運営の責任主体となって7回目の決算は、昨年度に引き続き実質的な黒字となりましたが、今後の安定的な財政運営に向けては、先述のような課題を引き続き抱えています。
こうした課題への対応に際しては、北海道と市町村が一体となって取組を進めていく必要があります。安定的な国保財政の運営に向け、今後もより一層のご協力をお願いいたします。

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