特集 札幌健康アプリ「アルカサル」


市民の健康寿命を伸ばすために開発
「アルカサル」は2026年4月1日に本格運用を開始。小野氏に
よると、開発の背景にあったのは、「札幌市民の健康寿命が他の政令指定都市と比べて短い」という課題である。健康づくりを後押しする方法として、日々の健康行動を記録し、楽しみながら続けられる仕組みが必要ではないか。そうした考えから生まれたアプリが「アルカサル」だ。
「アルカサル」では、歩数、体重、血圧などの記録をアプリ上で管理でき、日々の変化をグラフで確認することができる。目標歩数を設定し、達成状況を可視化する機能も備え、利用者が自分のペースで取り組みを続けやすいよう工夫されている。健康づくりを「記録すること」で終わらせず、次の行動につなげる設計が、このアプリの土台にある。
「人との交流」も健康づくりの大事な柱
「アルカサル」の大きな特色は、運動や測定だけでなく、「人と会うこと」「地域とつながること」も重視している点にある。小野氏は、認知症対策を考える上で、「人と会い、交流することは大きな要素になる」と話す。そこで札幌市では、町内会活動やイベント、介護予防教室、ボランティア活動などへの参加を記録する仕組みをアプリの中に組み込んだ。なるべく外に出掛けて、歩いて目的地に行き、人と話をする。それも健やかな毎日を支える大切な活動として捉えている。
町内会などの団体が主催者として登録すれば、その後はイベントを個別に登録することができる。登録したイベントはアプリに掲載されるため、イベント告知の役割も期待できる。既に町内会による花壇の整備など、イベントを登録する団体が増えており、地域の祭りやラジオ体操などにも広がっていきそうだ。
続ける力を支えるポイント制度
健康づくりは、続けられてこそ意味を持つ。それを後押しする仕組みとして、「アルカサル」ではポイント制度を導入している。歩数や健康管理の記録、人と会う活動への参加によってポイントが付与される仕組みだ。
40歳から64歳までの利用者は、獲得ポイントに応じて年に数回実施されるプレゼント抽選会に応募することができる。また、65歳以上で敬老パスや福祉乗車証などの交通費助成を受けていない利用者は、貯めたポイントを電子マネーに交換できる仕組みとなっている。
また、札幌市はイオン北海道(株)、大塚製薬(株)、北海道コカ・コーラボトリング(株)、(株)SHAREと「さっぽろウェルネスパートナー協定」に基づく覚書を結び、健康増進イベントの共催や店舗への来店ポイント、プレゼント抽選用の景品の協賛などを進めている。企業の協力により特典が充実し、「アルカサル」利用のきっかけになるなど、企業と行政が手を携えて市民の健康づくりを支える仕組みになっている。
利用は着実に広がっている
運用開始以降、約3カ月でダウンロード数は約10万6,000件に達している。2026年6月現在も、週に1,000〜2,000件ほどの新規ダウンロードが続いている。65歳から70歳の利用者が最も多いが、40歳代や50歳代の利用者も増えているという。
札幌市では各地域でアプリのダウンロード方法や操作方法をサポートするイベントを随時開いている。取材当日は、札幌駅前通地下広場(チ・カ・ホ)で登録イベントを開催。テレビ番組で紹介された直後ということもあり、多くの市民が足を止めてアプリの使用を開始したり、既に入れたアプリの説明を受けたりしていた。
「スマートフォンの操作に不安がある高齢の方には特に好評ですね。皆さん、笑顔で『頑張ります』と言ってブースを後にされるのが印象的でした」と小野氏は手応えを語る。
日々の行動を、これからの施策へ
小野氏は今後の展開について、「健康づくりも、楽しんでこそ続けられます。「アルカサル」では目標の設定ができますので、日々の成功体験を積み重ねることで、さらなる取り組みへのモチベーションにもなると思います。今後もより多くの方に登録いただき、市民の健康づくりのお役に立てればと思います」と力を込める。
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