オンライン請求システムとは
はじめに
平成18年4月10日付けで請求省令が改正され、保険医療機関・保険薬局による診療報酬等の請求方法として、オンラインによる方法が追加されました。同時に審査支払機関は、オンライン請求のための基盤整備を平成18年度中に行うよう、国からの要請を受け、平成19年4月からシステムを稼動することとしています。オンライン請求システムの概要
オンライン請求システムは、保険医療機関・保険薬局と審査支払機関を全国規模のネットワーク回線で結び、レセプト電算処理システムにおける診療報酬等の請求データ(レセプトデータ)をオンラインで受け渡す仕組みを整備したシステムです。
このオンライン請求システムのネットワーク、オンライン専用の認証局及び基本的なソフトウエアの構築については、社会保険診療報酬支払基金と国保中央会が共同で基盤整備を行っています。
オンライン請求で使用する電気通信回線は、厚生労働省からの通知(平成18年4月10日付け保発第0410006号及び平成20年2月20日付け保発第0220004号)により、「ISDN回線を利用したダイヤルアップ接続または、閉域IP網を利用したIP-VPN接続、または、オープンなネットワークにおいてはIPsecとIKEを組み合わせた接続」によるものとされています。
また、平成18年4月10日付け厚生労働省保険局総務課長通知(保総発第0410002号)の「レセプトのオンライン請求に係るセキュリティに関するガイドラインPDF(428.56 KB)」(安全対策規程例参照)により2電子証明書による相手認証及びデータの暗号化対策、ID・パスワードによる厳格なユーザ管理を行うなどセキュリティ対策を十分講じることとされています。
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オンライン請求の流れ
保険医療機関・保険薬局では、レセプト電算処理システムで請求する電子媒体をオンライン請求で使用するパソコンに取込み、国民健康保険団体連合会に送信します。
国民健康保険団体連合会では、保険医療機関・保険薬局から送信されたレセプトデータを、Webサーバで受付け、既存のシステムに接続し業務処理を行うこととなります。
一方、保険医療機関・保険薬局へは、既存システムで編集した増減点連絡書データを、Webサーバを介して提供することができます。
オンライン請求は、レセプト電算処理システムによるレセプトデータを送信する仕組みですから、保険医療機関・保険薬局は、前提としてレセプト電算処理システムを導入する必要があります。一方、現にレセプト電算処理システムで請求している保険医療機関・保険薬局については、レセコンの改造は必要ありません。
受付・事務点検ASP
受付・事務点検ASPとは、保険医療機関・保険薬局が国民健康保険団体連合会の受付・事務点検プログラムを利用して、患者氏名の記録漏れなど事務的な記載誤り等があるレセプトを事前に確認でき、速やかな修正を可能とするサービスです。
これにより、保険医療機関・保険薬局では、エラーを速やかに訂正し、当月のうちに訂正したレセプトを提出することができるようになり、国民健康保険団体連合会としても業務処理の効率化が図られます。
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オンライン請求の運用について
保険医療機関・保険薬局は、オンライン請求へ参加する際、届出等を審査支払機関へ提出します。
毎月20日までに届出等を提出していただきますと、支払基金からオンライン請求を行うための設定ツール等を翌月の15日までに送付されますので、設定作業及び電子証明書のダウンロードを行っていただくことになります。
設定作業等が終了後、ネットワークに繋がるかの導通試験を行い、届出の翌々月からオンライン請求が開始できます。
なお、確認試験は導通試験後、自由に実施することができます。
既存の請求とオンライン請求との違い
(1) オンライン請求では受付時間が延長されます
既存の請求では、基本的に毎月10日の17時(10日が土・日・祝日の場合も同様)まで受付しておりますが、オンライン請求になりますと、毎月5日~7日までが21時、8日~10日は24時まで請求・受付が可能となります。
また、受付・事務点検ASPの利用により、不備のあるレセプトデータを事前にチェックし、修正のうえ(ASPは12日21時まで訂正可能)、当月のうち(12日21時まで)に請求することができます。
※「オンライン請求システム利用規約PDF(13.46 KB)」 「オンライン請求システムの利用時間及び利用日程PDF(44.24 KB)」を参照
(2) オンライン請求では安全性が確保されます。
既存の請求では、紙レセプト又は電子レセプトが記録された電子媒体を国保連合会へ搬送(窓口へ持参又は送付)していただいており、搬送時における破損や紛失などの問題が起こりえましたが、オンライン請求ではセキュリティを確保したネットワーク回線を使用することから、こういった問題を解消でき、安全に請求できます。
(3) 増減点連絡書データ(CSV)ダウンロードについて
本会から送付しております増減点連絡書並びに返戻内訳書につきましては、従前どおり紙による送付となりますが、オンライン請求を行っている保険医療機関、保険薬局につきましては、増減点連絡書データ(CSV)をダウンロードすることもできます。
但し、下記項目については紙のみによる通知となりますので、統計データの作成並びに分析に活用する場合はご留意ください。
※ダウンロードできない情報
- 増減点連絡書(特別審査分)
- 増減点・返戻通知書
- 増減点・返れい通知書(2次)
- 重度心身障害者・ひとり親家庭等医療費増減点・返戻通知書
- 重度心身障害者・ひとり親家庭等医療費増減点・返戻通知書(2次)
オンライン請求への移行に向けて(オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ)
令和5年3月23日第164回社会保障審議会(医療保険部会)「オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ」PDF(1.39 MB)
【ロードマップ概要】
1 令和5年3月23日第164回社会保障審議会(医療保険部会)において、レセプトのオンライン請求の割合を
100%に近づけていくためのロードマップ案が了承されました。
これにより、オンライン資格確認を導入済みのすべての医療機関・薬局が令和6年9月末までにオンライン請
求に移行することを目指すこととされております。(医療機関・薬局の光ディスク等による請求は約27%、
紙レセプトによる請求(電子請求の免除対象)は約3.5%)
2 このうち光ディスク等請求の医療機関・薬局については、令和5年4月から原則としてオンライン資格確認の
義務化対象となっており、オンライン請求も可能な回線が敷設されることから、原則、令和6年4月からオン
ライン請求へ移行しなければならないこととされております。
また、令和6年4月から9月までは経過措置期間を設けつつ、令和6年10月以降も光ディスク等請求を続ける場
合には、オンライン請求への移行計画等の提出が必要とされています。
3 なお、オンライン資格確認を導入した上で本来はオンライン請求を実施していないと算定できない「医療情報
・システム基盤整備体制充実加算」について、オンライン請求を行っていない医療機関・薬局が令和5年12月
までにオンライン請求を開始する旨を地方厚生(支)局へ届け出ることにより、当該加算を算定することがで
きるよう要件が緩和されています。
4 以上のことから、オンライン資格確認の導入と同時にオンライン請求を実施することにより、医療機関・薬局
における手続き等の効率化が図られますので、この機会にオンライン請求への早期移行をお願いします。